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2008.04.19 Saturday
先生
ギターを習い始めて2年半経った。
先生は最初のレッスンで年を聞いたら56歳と言っておられたので、もう58歳になっている。 ぼくより6歳年上だから、ちょうどベンチャーズなどのエレキブームの頃に高校生だったということになる。 レッスンの合間に、少しずつお互いの身の上話をする。 一度、最初からプロを目指されたのですか?という質問をした。 先生は中学の頃にギターを弾き始め、最初はフォークギターから入り、バンドを組んでギターに熱中したとのこと。 プロを目指して…というか、ニュアンスではギターを弾くことが好きでそれをしているうちに時間が過ぎたという感じだった。 でも、25歳の時に、プロの道をあきらめようとしたとのこと。 普通の仕事につこうとしたのだが、結局雇ってくれるところがなく、やっぱりギターで生きていこうと決断されたらしい。 それから、バンドマンの見習いから始めて、荷物を運んだり使い走りをしたりしながら、先輩のギタリストにいろいろなことを教えてもらった。 その頃は、本当に暇さえあればギターを弾いていたとのこと。 冬はこたつに入ってギターの練習をしているうちに寝てしまい、ギターを持ったまま寝るというような日々だったと言っておられた。 もちろん、プロだからぼくらが知っているような歌手のバックもつとめたことがあるし、こないだ、ギタリストとして参加したCDも出た。 バンドマンが一番羽振りがよかったのは、戦後すぐ。カラオケなどの装置が進み、仕事は減る一方とのこと。 いつ行っても、練習している。 老眼鏡をずらして楽譜を見ながら弾いていたり、CDをかけてそれに合わせて弾いていたりする。 ここはどうしてこのコードを使うんですか?と聞くと、それは…といくつかの解釈を教えてくれる。 答えはたいがい一つではない。 何度か同じことを聞いて、ようやくわかることがある。 なるほど…やっとわかりました、というと、自分もいまだにそう思うことがある…と笑って言われた。 そんな先生に出会って、ラッキーだったと思う。 |
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