考えたこと2

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題名
印象に残る題名の本がある。

何となく、その時の自分の気持ちあらわしているような本だ。
必ずしも小説の内容と一致しているワケではないが…。

「青春の蹉跌」「僕たちの失敗」「見るまえに跳べ」「されど われらが日々−」「翔ぶが如く」「書を捨てよ、町へ出よう」などの題名が、本の内容とは関係なく、印象に残っている。

「青春」という言葉は、70年代の終わりくらいまではよく聞いた。
今も若い人は使うんだろうが、あのころよりもメジャーな言葉ではなくなったような気がするが、気のせいだろうか…。

「僕たち」という言葉もあまり聞かないような気がする。
あのころは、本の背表紙に「僕たち」と書かれていることが新鮮だった。

「見るまえに跳べ」は読んでいないが、あのころの若者に対するメッセージのような気がする。
今はどちらかというと、ちゃんと見てから跳べ、という感じかな。

「されど…」はこの文語調がいい。
「そうではあっても」や「それでも」では格好がつかない。「されど」われらが日々なのだ。
たかが題名、されど題名…ということだろう。

「翔ぶ」というのは、それまであまり見なかった文字だ。
このころから目につくようになって、今では名前でよく見る。
「飛ぶ」や「跳ぶ」よりも「翔ぶ」の方が、大空をかけるという感じがする。

「書を捨てよ…」も文語調だ。
これも、「書を捨てよう」では格好がつかない。

こうして見てみると、文語調の題名の本が意外に印象に残っているのか…。

そういえば、前に「夏は来ぬ」とか、ここにも書いた。

ここで挙げたものは、別に古文というほどのものでもないし、見ればわかる程度の文語調だから、これからも残っていくのだろうが、日本語の文語体はどんどん廃れていっている。

「天気晴朗なれども波高し」「仰げば尊し我が師の恩」「うさぎ追いし彼の山」「遠き山に日は落ちて星は空を散りばめぬ 今日のわざをなしおえて 心かろく安らえば 風は涼しこの夕べ いざや楽しき まどいせん」「名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実一つ」…

後半は昔の唱歌になってしまった…。

いい日本語だと思う。
「名前も知らない遠くの島から」というより、「名も知らぬ遠き島より」の方が美しく感じる。
短くて、すっきりしていて、いさぎよい。

言葉は移り変わってゆくものだが、文語体がなくなっていくのは残念だ。

本の題名で話を始めたのに、話が変わってしまった。すみません。



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