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2008.03.29 Saturday
ものさし
子どものころ、うちには木で出来たものさしがあった。
母が洋裁をしていたので、長さが50センチくらいのものさしがいつも置いてあったのだ。 なぜか、数字の目盛りはなくて、代わりに黒い点が打ってあった。5センチおきに点が赤になっていたような気がする。 わざとなのか、使い込んで湿度によって変形したからか、凸型に反っていた。 今なら木のものさしなど、考えられない。 さっき書いたように、変形するからだ。 まだ当時はプラスチック製が一般的になる前だったから、ものさしは木だった。 特に、長いものはそうだっただろう。 小学校1年のときに、長さがわからなくて、テストでほぼ零点を取ったことを覚えている。 持って帰ったら、母が見て、定規の目盛りの読み方がわからへんの…と驚いていた。 しかし、小学校のときに使っていた30センチのものさしは、もうプラスチックだったと思う。 プラスチックに正確に目盛りを印刷する技術ができたんだろう。(よく目盛りが消えたけど…) でも、長いこと木のものさしは家にあった。 母は、使い慣れたものさしがよかったんだと思う。 とにかく、軽いから、生地を測ったりするのに便利だったのだろう。 別にミリ単位の正確さが要求されるわけではなく、取り回しが効く方がよかったんだと思う。 まだまだプラスチック製は厚くて、重かったなあ。 今の子どもは木のものさしなど見たこともないだろう。 たかだか30年の間にすごい変化だ。 もう少しさかのぼれば、メートル法ではないものさしが一般的にあったのだから…。 世の中は気づかないうちに変わっていく。 |
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