考えたこと2

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希望
ボブ・グリーンの「アメリカン・タイム」というコラム集から、「新聞記者の仕事」という記事を紹介する。

これは、オハイオ州立大フットボール部の元コーチが亡くなったときの墓碑銘のおはなし。

そのコーチは、時々暴力行為におよび、相手チームの選手をなぐってクビになったという経歴の持ち主で、世間は彼のことを誤解している…という記事だった。
本当は彼は親切で思いやりがあって、考え深い人物だったというのが、グリーンの書きたかったことだった。

グリーンは元コーチが病気になる直前、一緒に夕食をして、話を聞いた。
かれは「勝つということ」について、尋ねたのだ。

元コーチは言う。

「要するに、勝つことと同じくらい重要なことが何かあるんじゃないか、と君は訊いているわけだ。で、わたしも答えはイエスだと思うよ。勝つことよりももっと大事な何事かがあるんだ。」

それは何か、とグリーンが訊くと、

「偉大な伝道者の言葉があるんだけどね」と彼はいった。「父がいつも引用していたものさ。私が朗読するより、父のほうがずっとうまかったな。”死の訪れる夜にしてなお、希望は星を眺め、ささやかれる愛の言葉は翼のはばたきを聞く”」

「わかるだろ」と彼はいった。

「大事なことは、つねに勝つことじゃない。大事なことは、つねに希望を持つということなのさ。」

その記事を見て、元コーチの家族は引用された詩を、墓碑に刻んだ…という話だった。

最後にグリーンは書く。

新聞記者をしていると、腹が立ったり、シニカルになったりするようなことがたくさん起こるものだ。が、時として、すばらしい何事か−他のことすべてが報われるような何事かも起こるのである。

いい話だった。

「つねに勝つこと」と「つねに希望を持つこと」というのは意外な組み合わせではないか…。

アメリカの大学のフットボールコーチというのは、すごいプレッシャーの中で「勝たねばならない」仕事だったはず。
本当に厳しいコーチだったと思うが、その彼が詩を引用して「希望」こそが大事だという。


週末に3冊読んだが、ほんと、文庫を復活させるべきだと思う。





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