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2008.03.02 Sunday
わからないもの
一番…というのは、今まで生きてきて、その中で一番ということで使われる。
ということは、本当の意味で一番…というのは死なないとわからないということになる。 だが、死んでしまった人のことを想像して、その人の一番つらかったことは何だろう?と考えたとき、それがその人の「死」にはならない。 「つらい」というのは生きている時間に経験することだからだろう。 「きっとあの時はつらかっただろう…」と思う「あの時」は「死」の時ではない。 その人が生きていて、活動していた時のことだろう。 闘病がつらかっただろう…ということはあるかもしれないが、それは闘病であって死ではない。 そんなふうに考えると、死というものは考えられないものになる。 考えられないものだから、死は怖いと思うのだが、どう怖いかもわからない。 わからない、ということを池田晶子さんは「存在しない」と言っていたんだろう。 ということは、この世で一番わからないものは「死」なのかもしれない。 だいいち、死というものがあるかないかもわからないのだから。 |
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