考えたこと2

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好きなもの
朝のドラマの話。
今は主人公が「饅頭こわい」という噺をやっている。

この落語は、遊び仲間が集まったところで、各自の好きなものはなにか?と聞いてまわるところから始まる。

みんなが好きなものをひととおり言った後、こわいなものは?という事になり、ふだん憎まれている男が「饅頭がこわい」と言い、それを聞いた他の連中がその男が帰ったあと、家に饅頭を投げこんで怖がらせようとして、男にまんまとだまされるというハナシ。

もちろん、その男は饅頭が食べたくてウソをついたのだ。
オチは、饅頭をほおばっているその男に、本当にこわいものは何か?と聞いたら、「熱いお茶がこわい」というもの。
このネタは学生時代にやった。懐かしいネタだ。

この噺を師匠の前で、若い落語家が練習する回想の場面を今朝やっていた。

練習が終わったあと、師匠が若い3人の弟子に「おまえら、何が好きなんや?」と聞く。

一人が「酒」、もう一人が「スーパーカー」と言った後、いちばん練習熱心な弟子は、「落語です」という。

師匠は、「落語家が、落語が好きいうてどないすんねん。なんか他のもんを言え…」と言うのだ。

これはどういうことだろうか。

好きなものを仕事にしてはいけないということだろうか。
落語をきわめるためには、落語以外に好きなものがあるという余裕が必要ということだろうか。
落語家が「落語が好き」というのは、面白みがないということだろうか。
商売でやっていることは、好きでやってはいけないということだろうか。

師匠の口ぶりは、落語が好きだという落語家など、面白くない…という感じだった。

もちろん、落語が好きだから、落語家をやっているに決まっている。
落語が嫌いな落語家などいるわけがない。

それでも、師匠は落語家が落語が好き言うてどないすんねん…という。

きっと落語家は「落語が好き」という気持ちが出てしまっては面白くない…というような事だろうと思う。
こんなアホなことやってまんねん…という余裕がなければ、お客さんは笑わせない。

落語が好きな自分を笑いとばす自分がいることが必要なのだ。

だから、落語が好きな自分は内においておくのだ。

落語が好きな自分を演じる自分は、落語が好きであってはならない。

そんなことだと思う。

好きなものを仕事にできる人はめったにいない。
でも、それができたとしても、プロであるためには、そこを離れないといけないのだ。

それが、本当のプロだと思う。




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