考えたこと2

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失敗したマクラ
またまた続いて落語の話。

いまだに思い出すと恥ずかしい失敗がある。

毎年秋は学園祭の季節で、我が落研にも女子大から出演依頼が来たりする。
当時の女子大における落研の扱いは、だいたいメインイベントの会場で、空いた時間を埋めるものという感じだった。
別にお礼が出るわけでもないが、部員間で振り分けて行っていた。

ぼくは、どちらかというと老人ホームではウケたのだが、若い人は苦手だった。その課題を克服するために、その年は女子大の学園祭に行ったのだ。

演じるのは古典落語だが、やはり最初のマクラで笑いを取らないといけない。2席ほどしかやらないので、最初が肝心だ。

時事ネタでいかないといけないだろう…と考えた。幸い、キャンディーズが解散したところだった。よし、キャンディーズでいこう!これ自体はアイデアとしては良かったと思っている。

後輩二人を呼んで、考えたマクラを聞いてもらった。

キャンディーズの解散は、ちまたではランちゃんの独立などと言われているが、実際はミキちゃんが引退したかったというのが真相。
渡辺プロは困っていて、今、代わりのメンバーをひそかに探している。
解散、再結成となると、日本人ではインパクトが弱いので、なんとフランス人をメンバーにスカウトしようとしているのだ。
どうも、そのメンバーが決まったらしく、芸名はアデというらしい。
みなさん、知ってますか?
そうなると、三人そろうと、アデ・ラン・スー。
カツラやがな…。

これを聞いた後輩二人は、「バカうけ間違いなし」という。
ただ、二人とも聞いたときに全く笑わなかったという事に気づけばよかったのだが…。

当日、高座に上がり、満を持して「みなさん、知ってますネェ、キャンディーズの解散。エライことでしたなあ。実は…」と話し始めた。
「アデ・ラン・スー」までいったところ、客席は水を打ったように静まりかえっていた。キョトンとしてこちらを見ていた客席の顔、顔、顔。
ああいうのを、時間が止まったようだ…というのだろう。

おもむろに、本題の噺に入る…結果は書くまでもない。
素人の落語は最初が命なのだ。

あとで、後輩二人に結果を話したら「そうですか…。難しかったんやな…」とのこと。二人とも、分析型の部員だったのだ。彼らに聞いた自分が悪い。

この失敗は今でも目に浮かぶ。
教室にしつらえた高座、そこそこのお客さんの入り、静かな時間…。

ただ、この話には後日談があって、関東に就職した弟子に20年ぶりくらいで会ったときに、「アデ・ラン・スー」の話になったところ、彼曰く、「あれ、東京のスナックでウケましたデ。」とのこと。

何でやねん…。

弟子に、「やり方次第ですな〜」と言われる始末。

情けない想い出だが、弟子のためになったということで、少し救われた。

いろいろあります…。

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