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2007.11.09 Friday
マクラ
朝のドラマを見ていると、懐かしい落語の演題が次から次へと出てくる。
愛宕山、算段の平兵衛、崇徳院、胴乱の幸助…。 難しい噺ばかりだが、どれもなじみのある噺。 落研時代、春と秋に大きな寄席をやるのだが、そこでやる噺は、かなり練習する。 前日、前々日には出演者一同集まって、順番にみんなの前で話すのだ。 最後の点検、という感じ。時にはOBも来て「ここはこうした方が…」というような注意ももらえる。 実際に落語を始めるまでの導入部をマクラというのだが、これは3年目くらいになると、自分のオリジナルを考えるのだ。 それは練習ではやらなかったりする。 本番で、部員にも笑ってほしい…ということになる。 素人の落語は最初が勝負。 マクラで笑わせたら、演者も落ちつくし、お客さんも安心する。 お客さんが安心するのは、すごく大事で、安心しないと余裕を持って聞けないし、余裕を持って聞けないと笑えないのだ。 だから、マクラには気をつかう。 なるべく、今からやる噺を関係のあるもので、今話題になっているような時事ネタや、その季節のネタ、直前の演者に絡めたものなどが好ましい。 最近のテレビ番組をサカナにするとか、自分ならではのものがよい…とはわかっていても、難しい。 あんまり成功した事はないなあ…。 一度だけ、満足のいくマクラができた。 あんまり練られたネタではなかったが、あとでテープを聞いて、ヘタな自分らしい、勢いで話したものだった。 そう、「勢い」も大事だ。 空回りしたらダメだが、ぼくの場合は、勢いがなければアウトという感じだった。 朝のドラマを見ていると、落語はいいなあ、と思う。 難しいですけどね。 |
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