考えたこと2

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国語入試問題必勝法
長男に教えてもらって、清水義範の「国語入試問題必勝法」という本を買った。

これは参考書ではなくて、文庫の短編小説集。巻末に作者が、まちがってこの本を買った受験生にごめんなさい、と書いていた。

表題作は、解答選択式の国語の入試問題の無意味さを笑いとばしている作品。
長文を読んで、ある部分の意味を次の5つの中から選べ…というような問題が不得意な生徒に対して、プロの先生が教える必勝法のおはなし。

「長短除外の法則」は、選択の解答文のうち、一番長いものと一番短いものは正解ではないというもの。

もう一つの法則は、5つの選択肢は通常「展、外、大、小、誤」に分けられる…というもの。
 「展」は問題文の内容を少し発展させたもの。
 「外」は少しピントがはずれているもの。
 「大」は内容を拡大しているもの。
 「小」は内容が不足しているもの。
 「誤」は内容がオカシイもの。
このうち、「外」が正解になる、という決まりである。

ふーん、と納得した。

毎年、センター入試の問題が新聞に出るが、国語の問題を見るたびに、ワケがわからないと思う。(国語しか見ないが…)

解答の文章がいくつか間違っているのはあるにせよ、それ以外はどれでもいいような気がするからだ。
「展外大小誤」はよくできた解説だと思う。

こんな問題をやっていて、国語の力がつくなどとは思えない。
だいたい、名前と受験番号以外は全部マークを塗りつぶすだけ…というような国語の問題などオカシイ。
文字や文章を考えて「書く」という事なしに、国語の力など、はかれるはずがない。

だから、作品の中で先生が生徒に言う。「君はまず問題文を読んで、理解しようとしただろう、それがマチガイだ」
問題文を理解しようと読んでしまうと、その内容から「展」を選んでしまうらしい。
センター入試の問題を見ていると、さもありなん…と思ってしまう。

あとがきで、これはあくまでフィクションだから信じないように…と作者は言っているが、半分以上信じても良さそうな気がする。

生徒の成績はすごく良くなるものの、結末は意外なものになるが、これは読んでのお楽しみ。

1990年に出た本。ずいぶん前にこんな小説を書いた人がいたとは…。感心した。



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