考えたこと2

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読むことと聞くこと
生まれて初めて、テープ起こしというのをやった。
座談会を録音して、それを文字にするというヤツだ。
ヘッドフォンで、合計3時間半ほどのテープを聞いた。

とりあえず、話しているものをそのまま文字にした。
話している、その臨場感を文章にしたかったのだ。第1稿を作って、読んだ時にはまだヘッドフォンで聴いた事が頭に残っているので、すごくよくわかったし、臨場感もあって、「これはいいなあ」と思えた。
読んでいて、話す声が聞こえてくる…という感じだった。

でも、それを2段組にして、見出しをつけて、本のカタチにしたら、どうもオカシイ。
ぼちぼち自分が聞いた声が頭の中から消えて、文章を読むモードになったらしい。

話し手が6人いるのだが、一人ひとりのくちぐせが、読むジャマになるのだ。
ついこないだは、それが臨場感を伝えている…と思っていたのが、消えてしまったのか。

「そうですね…」で話を始める人、「やっぱり」を連発する人、「〜とか」を多用する人…一人ずつの特徴を表して、その場の雰囲気を伝える「言葉の力」があったのに、時間が経つとそれがジャマになる。
また、話し言葉特有の、語順の入れ替わり…「言ったんです、私は」のような、力の入った話ぶりを伝える部分も、時間が経つとおかしく感じてしまう。

どうも、脳が「聞く」モードから、「読む」モードに切り替わったらしい。
聞いた本人にとっては、その切り替えに時間がかかるのだろう。すごく集中して、何回も聞いたことによって、簡単には「読む」モードには変わらなかったんだと思う。

今日は、それを修正して、第2稿を作った。

でも、持って帰ってじっくり読んだら、まだおかしいところがたくさんある。
直したつもりだったのだが…。

読むという行為は、聞くことよりも、脳に近いようだ。
話し言葉というのは、書くとすごくムダを含んだ文章になる。でも、聞いている時はそうは感じない。ところが、それを読むと…まどろっこしいし、わかりにくくなる。
逆に、書かれたものをそのまま声に出して話すと、ヘンに聞こえる。書かれたものはムダがないからだろう。

読むことは、脳に近いから、ムダな言葉はジャマになる。
目からダイレクトに理解するためには、不要なのだ。

聞いているときには、少々ムダがあっても、声の大きさやトーン、表情やしぐさなど、多くの情報を脳が処理しながら理解しているので、言葉はおかしく感じないし、逆にそれらが「言葉の力」を生み出すのだろう。

これは、面白かった。

実際に、読みやすいものにするためには、あと何度か校正を繰り返さなければならない。

世の中に出ている、対談集などは、かなりムダを切りつめているに違いない。

テープを起こした本人だけが、何度も注意深く話を聞いて、ニュアンスがわかるのだが、その「言葉の力」を文章にするのは至難の業だろうなあ。

もう少しがんばって、やってみよう。

でも、読むことと聞くことの違いが、こんなに大きかったのか…ということが実感できたのは収穫だった。



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