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2007.09.20 Thursday
コンマツ現象
その時、ぼくらはある問題について話しあっていた。
その問題とは、あるものが、ある日突然壊れてしまうという問題だった。 なぜそんなことが起こるのか、頭を悩ませていて、何人かが集まって会議をしたのだ。 みんな、真剣だった。理由もなく壊れるハズがない。結果には原因があるはずだ。 誰かが、過去に衝撃を受けていて、その履歴がものの中に隠れていて、ある日突然思い出すのではないか…と言った。 実際、そんな理由しか思い当たらず、誰もが頭の中にそんな考えは持っていたが、そんなことはないだろうと思って、言い出せずにいた…、そんな感じだった。 そうやろか…誰もが口の中で言葉にした時、その会議を仕切っていたFさんが、「それは、コンマツ現象やな」と真顔で言った。 コンマツ現象という言葉を聞いたことがなかったのだが、経験豊富なFさんが言うことだから、「はあ、そうですかね」… と言いながら、コンマツとはどういうことだろう?どういう字を書くのだろう?何か横文字の略語だろうか…などを考えをぐるぐる巡らせたが、わからない。 どう考えてもわからなかったので、「あのー、コンマツ現象て、何ですか?」と聞いた。 Fさんはぼくより5年ほど年上で、関西出身である。 「コンマツやがな。むかし、大村昆がやってた、「番頭はんと丁稚どん」知らんのか?」という。 よく聞いてみると、むかしテレビでやっていた喜劇で、大村昆が、こん松という丁稚の役をやっていて、「コンマツ」はその「こん松」だという。 こん松は、いつも番頭はんになぐられるのだが、なぐられて、しばらくしてから、「痛い!」というギャグが定番だったらしい。 要は、そのこん松のように、衝撃を受けてから、しばらくして反応するということを、「こん松現象」という名前で呼んだだけ…ということだ。 知っているハズがない。 一同、あきれてしまったが、あまりにもマジメな言い方だったので、「ほー」としか言いようがなかった。 「こん松現象」という言葉、もちろん、グーグルで検索しても出てこない。 あの時の関係者しか知らない言葉だろう。 それにしても、あの時のFさんの言葉は忘れられない。 「それは、コンマツ現象やな…」 ちなみに、その問題は後日解決したのだが、「コンマツ現象」ではなかったということだけ、記しておきます。 |
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