考えたこと2

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若い頃しか…
若いころしか読めない作家がある、と常々母が言っていた。
その一人が太宰治。

高校のころ、通学電車の行き帰りに文庫本を読んだ。
高校2年、3年で文庫になっているものはほとんど読んだと思う。
当時の作家はみんなそうだったのかもしれないが、たくさんの手紙を書いていて、書簡集も読んだおぼえがある。

走れメロス、斜陽、人間失格、グッドバイ、晩年、惜別、お伽草紙、トカトントン、津軽…そんな題名の文庫本が今でも本棚にある。
ページの色が茶色に変色しているが、捨てられない。

走れメロスや空想的な短編で印象に残ったもの以外は、ほとんど内容を覚えていない。

私小説は、自分をどんどんおとしめていくような内容だった。「恋」とか「革命」という言葉が出てきて、何となくそれに酔ってしまう。
空想的な物語は、面白かったし、わかりやすかった。

最期は自殺だったが、よくいえば、エデンの東のジェームス・ディーンみたいなものだろう。(ジェームス・ディーンのファンからは怒られそうだが…)

青森の富裕の家に生まれたが、それを引け目に感じて、東京で小説を書いて暮らす…でも、結局はお金持ちの坊っちゃんが抜けきれないというようなジレンマを生きた人、ではないか。

弱いと言ってしまえばそれまでだが、ジレンマの中であがく姿に何となく共感して、当時の若い人に人気があったのだと思う。

太宰治の命日には、墓のある三鷹で「桜桃忌」がある。
その日には、毎年若い人たちが太宰の墓参りに来ていた。今でもたくさん来るのだろうか…。

Webで調べていたら、青森で太宰治生誕100年にちなんで、マラソン大会を…という記事があった。

「走れメロス」にちなんだイベントとのことだが、どう考えてもまともに作品を読んだ人なら、太宰とマラソンは結びつかないだろう。マラソンというような健康的な活動とは正反対の人だったと思う。
もう、太宰治も観光の道具になってしまったのか…。

たしかに、今もう一度読もうとは思わない。
若い時しか読めないと思う。

それでも、本を捨てられないのが、太宰なのだろう。

もう、今の高校生は読まないが…。


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