考えたこと2

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縁の下の力持ち
以前、図面の管理の仕事をしていた。

図面というのは、設計部署にとっては構成材料と並んで重要なものだ。
設計のコアと言っていい。

図面を作る仕事は、モノのカタチを決めるのだから、すごく大事な仕事である。
カタチを決めるために打ち合わせをし、いろんな部署と調整をして、何人もの承認を経て完成する。
今までの経験から、こうでなければならないというルールもあるし、ここのカタチはなぜこうなのかという思想も必要になるのだ。
この仕事はすごく大事だ。間違えると、それを使ってモノを作るところで問題が起きる。
だからこそ、時間をかけてギリギリまでチェックをする。
この部分は責任も大きいし、その分だけ注目も高い…ヘンな言い方だが、陽のあたる仕事である。

完成してしまうと、あとはそれを使うところに送るという仕事になる。
これを出図という。

出図は地味な仕事である。
その図面を使ってモノを作るところや、価格を見積もるところ、そのモノを取り付けるところなどに図面を送るという仕事である。

たいがい、ギリギリまで設計で検討するから、出図の時間に余裕があることは少ない。
一日、半日、1時間でも早く出さなければならない。
決められた手順にしたがい、決められた量の図面のセットを複数揃え、それを発送する。
もちろん、データーで送るところもあるが、紙でなければ送れないところもある。

時間通りに出して、時間通り着ける。
ただ、それだけである。

うまくいって当たり前。何かでトラブルがあって遅れると、怒られる。
それがどんな理由であれ、時間通りに着くようにしないといけない。
もともとシンプルな仕事だから、やってることは簡単だし、普通にやっていればちゃんとできると思われるのだ。

実際には、日によって図面の数は変わるし、急いでいるから、いつもとは違うような手順でやらないといけないことも発生する。
承認すべき人が出張でいなくて、本当に出図がギリギリになるとか、図面の番号を間違えて取っているとか、一部分だけは古い図面を兼用するとか…いろいろな問題が起こる。
それでも、何があっても予定通りに出図はしないといけないのだ。

設計変更で図面が遅れるのは仕方ないが、出図で遅らすようなことはできない。
うまくやっても、ほめられることはないが、失敗すると大目玉である。

どんなにうまくやっても、それは当たり前なのだ。
本当に縁の下の力持ちという仕事である。

たとえ何かあっても、何事もなかったように、淡々とこなす。
陽があたろうと、あたるまいと、そんなことは関係ない。
だれでもできる仕事だろうと思われようが、気にとめない。

その仕事の存在を忘れられるくらい、当たり前にできて、それが一番いい状態なのだ。

やっている人に、思いがなければいけない。

何年かかかって、その仕事のやり方を変えたのだが、それも何事もなかったように変わった。

そんな仕事に関われて、よかったと思っている。




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