考えたこと2

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英和翻訳表現辞典
3年前に亡くなられたSさんの遺品としていただいた本。

Sさんは英語の達人だった。

会社に見学に来たカナダ人が、あまりにも発音がネィティブなのに感激して、お土産をもらったこともあった。
外人に、駅で三宮はどちらの方向か?と聞かれ「こっち(This way)」とひとこと言っただけで、「あなたは日本人か?」と聞かれたこともあった。
BillというニックネームがWilliamの愛称だということも教えてもらった。
めずらしい魚の名前や野菜の名前がスラスラと出てくる人だった。

以前、翻訳をされたらどうですか?と聞いたら、自分は英語は英語のまま理解するので、それを日本語に変えるのは難しいし、翻訳というのは英語ができる事も必要だが、ちゃんとした日本語を書く能力の方が大事で、それだからダメなんだと言われていた。

英文のレターを書いて、写しで送ったら、何度かに一度は「君もちゃんと書くようになったなあ」と言われたりした。
細かいところでは、たくさんマチガイがあるが、意味はちゃんとわかる…ということだった。

一番難しいのは、冠詞の"a"と"the"。日本語にはない概念なので、本当に使い方が難しい。
これはさすがにSさんでも難しかったとのこと。
どうしようもない時は、複数形で逃げたり、hisなどの代名詞で逃げたりする…ということだった。

この英和翻訳表現辞典は辞書ではなく辞典である。
数々の英語の単語を、通常の日本語で示している。
英語を、やまとことばになおす、というコンセプトだ。

高い本だが、英語のレベルが高かったSさんだからこそ、こういう本を持っておられたのだろう。

"alarm"という見出しに鉛筆でチェックが入っていた。
きっと、この訳は覚えておこうと思われたのだろう。
1ページにわたって説明が書かれており、そこにこの単語の難しさがあらわれている。
例文と訳例が載っているが、これを「警戒心を起こさせる」と訳すとよい、という記載がある。
なるほど…という言葉だ。

序文に、この本では単語の定義訳ではなく、表現訳を与え、親身な日本語に訳しやすいように…ということで作られたと書いてあった。
引く辞書ではなく、読む辞典である。

本屋で手にとっても、買っていなかっただろう。

でも、この本を読めば、英語が上手になると思う。
スゴイ本だ。

手に届くところに置いておこうと思う。

今になって、さらにSさんのすごさを思う。

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