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2006.11.11 Saturday
実物大
長いこと自分で気づかないマチガイというものがある。
僕の場合は、実物大という言葉がそうだった。 二十代の後半だったと思う。新聞を見ていて、何かの広告があった。 一緒に見ていたのは、義妹だったと思う。 手のひらサイズのものだったが、何の広告だったかは忘れた。 そこに商品の写真があり、横に「実物大」と書いてあった。 何気なく、僕は言った。 「ふーん、実物はこの写真より小さいのか…」 すると、「何を言うてんの?」という返事。 「ここに、実物大と書いてあるということは、実物はこれよりちょっと小さいということやろ」 「えー!実物大いうのは、実物と同じ大きさということやん」 僕の理解は、実物大=実物より大きいだった。 生まれてこの方、その理解を疑ったことすらなかった。 大体、なぜ実物よりちょっと大きい、という中途半端なものを載せるのか?と義妹は言う。 それは、実物の大きさだったら、小さすぎて細かい部分がわからないから、ちょっと大きめに写真を撮っているのではないか…と言った。 義妹は、絶対にそんなことはないと言う。 実物の大きさを宣伝しないと、意味がないだろう、と言うのだ。 「ほんまかいな」ということになり、回りの人に聞いても、会社の同僚に聞いても、実物大というのは実物の大きさ、という事だった。 あとから考えると、確かに「実物よりちょっと大きい」というのは、一体実物の大きさはどうなのか、ということがわからないし、実物の大きさを宣伝しないと意味がない、という事もわかった。 それなら、「実物と同じ大きさです」とか書けばいいのではないかと思う。 「実物同」でも「実寸」でも良い。 どうしても、「実物大」というのは実物より大きい、というふうに読めてしまう。 だから、いまだに実物大という言葉を見ると、実物はこれより小さいと反射的に考えてしまう。 さすがに、人には言わないが、ひそかに実物大というのは、実物よりも大きいと思っている人がたくさんいるのではないか…と信じている。 みんな、隠しているのだ。 これを読んで、「そうそう、そのとおり」と思う人は、ぜひコメント下さい。 仲間になりましょう。 しかし、他にも気づかないマチガイはあるのかもしれないなあ。 |
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