考えたこと2

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北海道のこと2
二十数年前、冬の北海道で氷盤作りをやったことがある。
スケートリンクのような、きれいな氷の面を作る、という仕事である。

地元の業者さんにお願いして、土台のところと、だいたいの氷盤面は作ってもらっていた。
僕らがやるのは、仕上げの部分だ。

50メートルプールより広い氷盤を作るのだ。
きれいな氷盤を作るためには、気温がかなり低い時に水を撒かないといけない。

したがって、仕事は夜になる。十数人のチームだったので、夜の8時頃行く班と、夜中に行く班に分かれる。

河川敷に氷盤の土台はあった。

まず、川にホースを入れて、ポンプのエンジンをかけ、水を汲み上げて、数十メートル離れたところまでホースで水を送り、そこで水を撒く。

ポンプのエンジンが水撒きをしている途中で止まってしまうと、ホースの中の水が一瞬で凍ってしまい、ホースが使えなくなる。
だから、ポンプのスタート係は重要な役目である。失敗すると、数時間かけてホースを温めて乾かさないといけなくなる。
動いている水は凍らないが、止まるとすぐに凍るのだ。

飲み屋で地元の人に、夜中に外でホースを使って水撒きをする、というと、びっくりされる。(散水車ならあり得る)
北海道では夜中に外に出て仕事などしない…と言われる。
ましてや、河川敷で水撒きをするなどというのは論外である。

氷盤作りの水撒きは、先端の放水口を持つ係と、その後ろに10人ほどホースを持つ係や、余ったホースを取り回す係などがいる。
放水口を持つ係は10分程度で交代する。
冷たくて、持っていられないのだ。
もちろん、軍手の上にスキー用の手袋をして、キッチン用のゴム手袋をはめる、という重装備でのぞむのだが、マイナス15度とかマイナス20度というような外気温で水を扱うのだからどうにもならない。

10分ほど放水口を持っていると、手のカタチが放水口を持つ形になってしまい、手を離しても、その形からしばらくは動かせない。

ホースと放水口のつなぎ目に隙間があって、チョロチョロ水が出ていたりすると、大変だ。
水がついたところがすぐに凍る。
服に水が付くと、その部分が板みたいになる。剣道の胴着をつけているようなものだ。

それでも、いいこともある。
車のヘッドライトをつけて、水撒きしているところを照らすのだが、空中で水滴が凍って、すごくきれいに見える。
ダイヤモンドダストではないが、そんなきれいな光景が見られる。

こんなこと、したことがある人はめったにいない。

済んでしまえば、よかったと思う…その代表的なものがこれだった。


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