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2006.01.29 Sunday
「数」はどこにある
最近、「数」というのは、世の中にはないものだ、と気がついた。
子どもにそのことを言ったら、目の前にあったリンゴを指さして、「ここに1個のイチがあるやん」という。 「それは、1個のリンゴで、イチというのはどこにもないやろ、あるのはリンゴだけやん」というと、小銭を指して、 「ここに1円玉がある。これはイチや」という。 「それは、1円玉で、イチはどこにある?」というと、 「わかった。それ以上は聞きたくない」と言って去っていった。 「数」を書いたものはたくさんある。 値段表や番号表など。でも、それは数字であって、「数」ではない。 物差しの目盛りに1、2と書いてある。それも、目盛りとして書かれたものであって、「数」ではない。 純粋な1とか2とかいう「数」はどこにもないのだ。 それは、人間の頭の中にしかない。 「数」が人間が生まれる前からあったのか、それとも人間が作り出したものなのか、それは難しい。 でも、「数」は地球の上では、人間しか持っていない。 だから、「数学」が大事なんだろう。この歳になってわかった。 人間の頭の中にしかないもの・・・最も人間らしいもの、「数学」を教えるのは、計算ができるようになるためだけではない。 人間らしい思考ができるようになるために、やるんだと思う。 数学の教科書に、そういうことも書いておいてほしかった。 |
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