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2006.01.20 Friday
プラモ屋
昔よくプラモ屋に通った。
XX模型というような名前の店。 ガラスのショーウィンドウに、実際に店の主人が作ったプラモを飾ってある。 名人芸で作り、色もプラカラーですごくきれいに塗っている。 ショーウィンドウに頭をひっつけて、見入ったものだ。 小学校低学年の時は、プラモデルというと、戦艦・戦闘機・戦車・潜水艦・自動車など、実在したものが多かった。 高学年になると、アニメの影響で、マンガの主人公などが出てきた。 モーターでちゃんと二足歩行するロボットもあった。一度、誕生日にそんなロボットのプラモをもらって、長いことかけて作った記憶がある。あまり上手に歩けないが、スイッチを入れて動いたときは感動した。 今はプラモデルの金型精度が上がったし、素材もしなやかになったので、部品を接着剤でつけなくても、パチンとはまって、ひっつくようになっている。 昔は精度が悪くて、おまけに接着剤(セメダイン)でひっつけないといけなかったし、つけると、位置がずれたりしていた。 バリも多くて、爪切りで切りとらないと、接着面がきれいに平面にならなかった。 それでも、作るのが楽しくて、小遣いをもらうと、すぐにプラモ屋に走っていった。 細かい部品が多く、きれいに作るためには接着剤の付け方を注意して、じっくりやらないといけなかったし、接着するときに、息を止めてじっと押さえておくなど、かなり難しい作業だったと思う。 プラモデルは、昭和30年代生まれの子どもが、手先が器用になるのに貢献したはずだ。 今の子どもたちは、不器用な子が多いように思う。 数年前、小学生が凧づくりをするのを手伝ったが、たこ糸が上手に結べなかったり、割り箸の中心にたこ糸を結ぶということができなかったりして、驚いた。 いつの頃か、接着剤にシンナーが含まれている、ということでプラモデルは下火になった。 実家の近所のプラモ屋も、今はもうない。 プラモデルの箱がうずたかく積まれていて、その中に初老のおじさんが座っていた。 今の子供らは、店のポイントカードを持って、ゲーム屋に通っている。 古くなったゲームや機械は中古で売る。 プラモ屋が懐かしい。 |
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