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2006.01.15 Sunday
お母さんは"She"ではない
30代の頃、英会話を習っていたことがある。
習うといっても、その人の家に行って、1時間半ほど世間話をするだけだ。 月謝を交渉して格安にしてもらって、1年ほど通った。 ある時、家族の話をしていて、私のお母さんは・・・という話になった。 "My mother likes cooking. She can make ..."というような会話だったと思う。 僕は、私のお母さんは洋服を作るのがうまい・・というような事を話したと思う。 "My mother likes to make clothes. My mother can make..."というような会話だった。 その時まで気づかなかったが、先生は2回目に My mother が出てきたときは、She になっている。 「え・・My mother が She になるん?」と思った。 僕が話すと、My mother は she にはならない。 My mother は何度出てきても My mother になる。 お母さんは代名詞にはならないのだ。 ふつうに話していて、自分の母親のことを代名詞では言わないですよね。 「彼」とか「彼女」という言葉には、つき合っている相手、というような特別な意味までくっついてしまっているし・・。 もともと、日本語には三人称代名詞というもの自体が無いような気がする。 その時は、僕が英会話の先生に 「あなたは My mother を She と言うのか?」と聞いたら、逆に 「あなたは何度くり返しても、My mother は My mother と言い続けるのか?」と聞き返された。 そう、日本語では、My mother は She にはならない、と答えた。 日本では親子はいつまでたっても三人称にはならない(と思う)。 そうですよね? 西洋では、親でも三人称の代名詞を使う。 これは、西洋の個人主義の現れではないかと思う。 親は親、子は子、ある年齢に達したら、大人として、社会人としての関係が主になるのだろう。(親子の関係は弱い) だから、ひきこもりもニートもいない、という。 そんなことをしたら、餓え死にするからだ。 日本では My mother は Sheにはならない。 これは親子関係の文化の問題だと思う。 その時から、ずっとそう思っている。違うかな? |
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