考えたこと2

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できそうで、できないこと
学生時代に、50ccのバイクを通学に使っていたことがある。
ヤマハのFX50というバイクで、よくあるスクータータイプのものではなくて、普通カタチのヤツだった。

その夜は、無性にラーメンが食べたくなり、京都の山奥の下宿を夜の11時頃出て、一人で夜道を走った。
たぶん、12月だったと思う。すごく寒かった。

手袋をしてなかったので、とにかく手が冷たくて、左手をジャンパーのポケットにつっこんで乗っていた。
バイクに乗ったことがない人のために説明しておくと、バイクという乗り物は、右手がアクセルになっていて、ハンドルのグリップ部分を手前に回すと、車でいうとアクセルを踏んだことになる。
手を離すと、アクセルは自動的に戻って、バイクが止まるようになっている。

左手をジャンパーのポケットにつっこんでいたのは、右手を離すとバイクが止まってしまうからだ。

しかし、真冬の夜中であり、右手が冷たくて、感覚がなくなってきた。
そうなると人情で、右手をジャンパーのポケットに入れたくなる。
ちょっとスピードを上げて、右手をジャンパーのポケットに入れた。
しかし、左手ではハンドルを支えることはできるが、アクセルはもちろん回せない。
エンジンの回転が落ちて、バイクが止まりそうになった。

ここで、どうします?

僕は当然のごとく、左手をハンドルから離し、ハンドルの右側を持って、アクセルを手前に回そうとした。
ちょうど、身体の前を横切るように左手がななめにハンドルを持っているような形になっている。

アクセルを回そうとしたとたん、バイクは左に旋回し、一車線の田舎道の路端の溝を跳び越え、藪の中につっこんでいった。
左手でハンドルの右を持って運転するということは、すごく難しいことだった。
当然、僕も一緒に藪の中に入っていって、足と腕を強打し、バイクと一緒にこけた。

やっとの事で、バイクを引きづりだし、それでもラーメン屋まで行って、ラーメンを食べてから帰った。

翌日は大変で、強打した足が痛くて歩けず、腕も捻挫状態だった。

小学生の時代から、自転車には乗っていたし、やったことこそなかったが、左手でハンドルの右側を持って運転することが難しいことだ、ということなど想像すらしていなかったが、これはすごく難しいことだった。
ひょっとしたら、ハンドルを持つだけならできるのかもしれないが、アクセルのグリップを回す、というのが難しいのかもしれない・・・。

それから一度もやってみようとは思わない。
自転車ならアクセルはないから、できるのかもしれないが、やめたほうがいいと思う。

できそうで、できないことの一つだと思う。
人間って、自分ができないことがわからないのだ・・と痛みに耐えつつ、下宿で寝ていた。

あの道にガードレールがあったら、どうなっていたのかわからない。
そう思うと、できそうで、できないことがわからない、ということだけでなく、生きていることがありがたいことだ、と思う。

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