考えたこと2

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フレンチの寅次郎
東洋経済の記事に「フランス人が寅さんで学んだ日本の隠れた魅力」というのがあった。
ドラ・トーザンという国際ジャーナリストが書いている。

今年、パリ日本文化会館で1月から「男はつらいよ」全50話を1年間にわたって上映している。
筆者はフランスに日本映画のファンはいるが、「寅さん」はあまり知られていないということを残念だと思っていたとのこと。
このシリーズが1969年に始まり、2019年に終了したということで「世界最長のシリーズ」として紹介されている。

今のところ、2500人が来場。

筆者は、寅さんは自由人であり、社会に対する反逆者のようなもの、という。
それは、本当にその通り。
でも、「寅さんは反体制的」というのはちょっと違うと思う。

「社会からはみ出している」というのは事実だが、寅次郎は反体制というよりは「反社会的」なのだと思う。
そう、「ヤクザもの」なのだ。
「堅気の衆に迷惑をかけてはいけない」という昔ながらのヤクザそのもの。

ヤクザにはヤクザの世界があり、その世界で生きている。
でも、時々柴又に帰ってきて、堅気の人たちと共に過ごす。
そこにマドンナが絡む。
そして、必ずフラれたり、自分から別れていったりする。
ほんのつかの間、堅気の世界で生きるのだ。

本当に身内に寅さんのような人がいたら、うっとうしいだろう。
それはみんな内心わかっている。
寅次郎だけでなく、さくらやおいちゃん、寅屋の人たちすべてがフィクションなのだ。
だからこそ、この映画が愛されているのだろう。

リアルワールドはそんなに甘くない。
ヤクザものの兄が帰ってきたら、家族は嫌がって早く出ていってほしいと思うだろう。
それが現実。

フランス人の筆者は、日本のどこが好きかと聞かれたら、日本人の「心」と答えるという。
「優しさ、忍耐力、他人への好奇心、尊敬、分かち合いが混在していることは、本当に類(たぐい)まれ」だと美化している。
日本人や日本文化に対する贔屓もあるのだろう。

それは日本人にとってもないものねだりなのだ。


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