考えたこと2

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ネットの意見
フェイクニュースが問題になるが、これはSNSの発達とセットで出てきた問題だろう。
要は、人々の噂が拡散しやすくなった、ということだと思う。

福島の原発の問題は、どうしてこんなに根が深くなったのか不思議だ。
たしかに、事故直後はみんなが心配したし、どうなるかわからなかった。
その中でたくさんの情報が出された。
どちらかというと、センセーショナルな意見が取りざたされた。
「福島には人が住めない」というような報道もされて、それについての本も出された。
放射能の専門家という人が書いた本もあり、そのせいで避難をした人も多かったと思う。

しかし、今になってみればそのほとんどはデマだったと思う。
原発周辺にも人は住める。
除染の仕事をしている人も、普通の格好でやっている。
国道に据えられた線量計で値は出ているが、もちろん致死的な値ではない。

どちらかというと、あれだけ騒いだから、用心しよう、という状態のように見える。
あれらのデマを流した専門家やマスコミの人たちは、今の状態を見てどう思っているのだろうか。
まだ自分の言っていたことは正しいと思っているんだろうか。

こういう噂は、SNS上で生き残っているように思う。
生まれたのもSNS、それが生きながらえるのもSNSの上だ。

イタリアのIMTルッカ高等研究所のウォルター・クアトロチョッキという人が、SNS上での情報がどのように広まって、社会に消費されているのか、ということを調査http://wired.jp/2016/10/16/conspiracy-theory/した。
彼は、情報が伝わるためには「同質性」、「エコーチェンバー」「確証バイアス」がカギだという。

SNS上では同じような考えの人が「いいね!」をし合っている。
要は同質的な仲間なのだ。
そこでエコーのように情報が共鳴する。
ネズミ算的に「いいね!」の情報が広がっていく。

記事によると、「SNSプラットフォームは、あたかも自分自身の声が反響しているかのような“類友同士”の場となる。これが「エコーチェンバー(共鳴室)」と呼ばれる空間だ。つまり、パーソナライズされたSNS上の空間とは、自分の脳内をアイデンティティの許容範囲にまで拡張させた、自分自身の境界ともいえる場となるのである。」と書かれている。

そこに認知の歪の一つである確証バイアスが加わる。
確証バイアスとは、「人々が、ある情報の真偽に対するリサーチをする目的は、すでに自分のなかで決まっている“答え”を確認する行為でしかない。ゆえに、最初から信念に反論する情報には目を通すことをしない。これが「確証バイアス」であり、偏った思考をつくり出してしまうものだ。」ということだ。

結局は「自分の中で決まっている答え」があって、それに対する科学的な反証があってもそんなものは見ないのだ。
それは誰にでもある傾向だが、不特定多数の参加するSNSではその影響は大きくなるんだと思う。
一部のマスコミはまだその共鳴室の中にいて、思い出したように情報を流す。
それがまた「いいね!」を生んで共鳴しているんだろう。

共鳴室の中では、感情の影響が大きくなる。
放射能の科学的な分析よりも、「放射能は怖い」という感情が心の中を占めてしまう。
そうなったら、科学的な分析など見ていても、目に入らないのだ。

インターネット、SNSの発達で、フェイクニュースが問題になるようになった。
サイバー部隊が活躍して、世論を誘導できるようになったとも言える。

学校ではもっと科学のリテラシーを教えないといけない。
それが、フェイクニュースを食い止め、民主主義を正常にできるのだと思う。

道は遠いと思うが…。


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