![]() |
2017.05.21 Sunday
音を合わせること
ぼくはあまり誰かと一緒に楽器を弾いたことがない。
でも、CDなどに合わせてギターを弾くことはよくあるので、人に合わせることはできると思う。 この合奏が合うというのはどういうことか、という記事を読むと、これは結構大変なことなのだということがわかった。 音楽を聞いていて、ちゃんと合っていると感じるのは、ズレが数十ミリ秒でないとダメらしい。 つまり、百ミリ秒=0.1秒狂うと、もうズレていると感じるのだ。 また、出だしのところではもっと感度が高くなるとのこと。 二人や三人ならともかく、たくさんの人がこの精度で音を出すというのは、結構厳しいと思う。 0.05秒以下という感じだから、普段意識するスケールの時間ではない。 これが小学生の合奏などのレベルでも合うのだから、人間の持っているリズム感は本能としてあるんだろう。 息が合う、というのは素晴らしいことだ。 またメロディは伴奏よりもちょっと(1/1000秒のオーダー)早くしたほうが際立つし、ジャズのグルーブはベースとドラムのほんの少しのズレが生み出すとも言われている。 たしかに、"Danny boy"などの単純なメロディでゆっくりした曲でも、グルーブ感のある演奏ができるのは、そういう感触を持ったプレイヤーがやるからだろう。 ああいうゆっくりした曲で、グルーブ感を出すのはかえって難しい。 実際、同じ演奏でも、すごく陳腐に聞こえるものもあれば、ゆったりしているが、素晴らしいグルーブ感があるものもある。 以前、谷村新司の「昴」の演奏を聴いたことがあるが、あれもグルーブ感を出すのが難しい曲だ。 単にギターで一つずつ音を出す、アルペジオというスタイルだったが、何ともいえずちぐはぐな感じがする演奏だった。 ギター1本と歌でも、グルーブ感が出せたり出せなかったりする。 これも不思議だが、分析すれば答えは出るんだろう。 普段人間が意識することのないスケールの時間で「合奏」が完成しているということと、それを意識しないでできてしまうということが、人間の素晴らしさだろう。 だからこそ、人は音楽を聴いて感動する。 そのもっともプリミティブなところは、きっと人の意識を超えた時間にある。 合奏は奥が深い。 人と一緒に演奏して、自分でも「合っている」と思えるときは快感なんだろう。 だから、音楽はやめれらない。 |
![]() |