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2017.05.10 Wednesday
中2問題
東大とベネッセが「子供と生活と遊び」の実態調査を行って、小学校1年生から中学校1年生までは学習時間が増えるが、中2にで初めて減少する、ということがわかったらしい。
小学校1年生から高校3年生約2万1千組が対象とのことだから、まあそこそこ正しいのだろう。 ぼくは勉強が好きではなかった。 嫌いというより、面倒くさかったというのが一番大きい。 ぼくらの時代は、俗に言う「詰め込み教育」の時代だったから、やたらドリルが多かった。 分数の通分や約分、式の移項や変数を求めるもの、因数分解や2次方程式の根の公式など、小学校や中学校のころの算数が一番面倒くさかった。 そのへんが表に出てくるのが、中2なんだろうと思う。 調査によると、勉強が「嫌い」(「まったく+あまり好きではない」)と回答した子どもは、中学2年生で約6割に達したとのこと。 外聞を気にせずに言えば、勉強が嫌いだという子どもが6割しかいない、というのがぼくの感想。 もっと多くてもおかしくない。 子どもは勉強が嫌いなものだ。 でも、やらないと仕方ないと思っているから、やっている。 そういう大人の意識がないのが不思議だ。 調査した大人の人たちは、自分たちが勉強が好きだったと言うんだろうか。 そう思っているとしたら、そっちの方が問題だと思う。 今も昔も、子どもは勉強が嫌いなものだ、という前提に立って議論をしたほうがいい。 何でも、導入のところはシンドイのだ。 ギターを弾こうと思って頑張るが、Fのコードでつまづくのと同じこと。 最初のハードルを超えないと、楽しくなどない。 小中高の勉強など、全て導入のところばかりだ。 だから、面倒くさいし、やりたくないのだ。 今の先生は子どもは勉強が好きなものだ、という態度で教えているのだろうか。 自分を振り返れば、そんなはずはないとわかるはず。 さすがに現場はそんなことは思っていないような気がする。 ぼくは割合や分数でつまづいている大学生を見ていて、今の小中学校の教育は間違っていると思う。 積み上げ型の算数、数学といった科目は、基礎がわからないと先に進めない。 でも、現場の先生方は学習指導要領のとおりに教えようとする。 全くわからなくても、理解させようとするのだ。 とにかく、「理解」第一というのが間違いだと思う。 理解は後でもいいから、とにかく数をこなすことだ。 そうやってやっているうちに、理解できるようになってくる。 自分の経験から言っても、そういうものだと思う。 分数の割り算は、分子と分母をひっくり返して掛け算する、と覚えて何度もやる。 そうすることで、分数の割り算とは何か、ということなどわからなくても、計算はできるようになる。 でも、それが今はできないまま大学に入る。 きっと授業では理解したんだろう。 それでも、苦労している学生を見ていると、それを忘れてしまって、計算はできないままだ。 分数の割り算を理解することと、計算ができることは別だと考えて、とにかく身体で覚えるしかないと思う。 自分が受けた教育を正しいと思うのはバイアスだが、これは正しい。 小学校で覚えることは覚えてしまわないと先に進めない。 そこが問題だ。 |
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