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2015.12.22 Tuesday
インダストリー4.0
インダストリー4.0という言葉がある。
ドイツでできた言葉。 意味は第4の産業革命ということだ。 第1の産業革命は18世紀から始まった蒸気機関が主体。歴史の授業で習ったイギリスが発祥だ。 第2は20世紀の初頭。電気を使った大量生産方式。 第3は1970年代の電子技術の導入による、工場の自動化。これはぼくも目の当たりにした。 そして、第4の産業革命がこれから来る。 それをインダストリー4.0と呼ぶ。 もちろん、インターネットが主役だ。 たくさんのものを作っても、安くなければ売れない。 安く作るためには、人件費の安いところに行く。 そういう循環が製造業のグローバル化で起こっていた。 となると、どういう手があるかというのがインダストリー4.0だろう。 少量多品種を自動で安価に生産するという形だ。 ユーザーの好みにあったものを、たくさんの種類で作り分ける。 今まではそうしたくても、人件費が高くてなかなかできなかった。 でも、これからはインターネットの力を借りて、自動化されたラインで作る、ということになる。 作る部品には電子タグがつけられて、その部品がどんな仕様かを組み立てロボットが理解する。 つまり、これから作る製品は、どれを使えばいいかを指示されているのだ。 その部品を選んで組み立て、次のラインのロボットに「これができた」と伝える。 伝えられたロボットは、その部品に応じて動きを変えたり、あらたな部品をつけたりする。 そんな風に、工場にインターネットの仕組みを使った通信網をはりめぐらして、部品や機械の動きを制御し、各々のロボット同士が通信できる。 さらに、インターネットで通信することで、故障を未然に防ぐことができる。 壊れそうになったロボットは自動的にメンテナンスを呼んで修理を頼むことができる。 そんなことが、インダストリー4.0の世界だと思う。 ドイツは自動車メーカーあたりが主導で、そういうことを言っている。 アメリカもインダストリー4.0という言葉は使っていないが、同じようなことを言っている。 日本はそれなりに進んでいるんだろうが、みんながまとまって規格づくりをしよう、という動きがない。 ここが日本の弱みだと思う。 部品につけるタグの仕様をどう決めるか、工場内のロボットの通信の仕様をどう決めるか、など決め事はたくさんあって、そのデファクト・スタンダードを争っている。 規格づくりは、公平に、オープンにやっているように見えるが、そんなに甘いことはないんだろう。 国を挙げて、自国の強みを規格に活かそうとしているはずだ。 インターネットはオープンでフェアなものだが、やっぱりそれを作ったアメリカは強い。 日本発のインダストリー4.0を作れれば、裾野が広がって、工作機械やロボットを作る会社などは強くなる。 いま現実に、日本が強い分野だ。 全部をロボットで自動化しているスマートファクトリーなど、個々の企業は頑張っている。 経産省ももっと力を入れて、デファクト・スタンダード作りに精を出してほしい。 |
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