考えたこと2

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ぼくは大学で工学部だった。

別にそんなことを考えて選んだわけではないが、工学は理学と異なり、妥協の技術である、ということを卒業してから知った。
実験、設計に関わった25年の経験から、まさにモノを作るというのは「妥協」の産物である、ということがわかる。
こちらを立てれば、あちらが立たずという状況の中で、如何に高度に妥協するか。
これが設計の基本だと思う。
だから、工学こそ、ポリシーが必要だ。
妥協をするから、ノンポリではない。
どこで、どのように妥協をするか、という決定にはその妥協を支えるポリシーが必要になる。
それ以外の多くの選択肢の中から、なぜそれを選ぶのか、その問いに答えるためのポリシーだ。

そういう意味で今の原発の問題を見ると、脱原発か、原発推進か、という議論は現実的ではないと思う。
ヒステリックに脱原発という人は現実を見ているのか。
原発推進というが、新たに原発を作ろうと言っているわけではない。
原発推進派といわれている人たちは、現状を考えると、今止まっている原発を動かした方がいいのではないですか?と言っているのだ。
何が何でも原発は止めないとイケナイ、という気持ちはわかりますが、それで私たちの生活はどうなるんでしょうか?と聞いていると言ってもいい。

一日100億円ほどのお金が、原子力から振り替えられた火力発電所の天然ガスを買うために使われているが、それは電気代に上乗せされ、結局は利用者の負担になる。
電気を使っていない第三次産業などないから、全ての工業製品の値段が上がることになるか、あるいは値上げできずに倒産するところが出てくる。
今は円高でもっと状況は悪化しているだろう。
その火力発電所が出すCO2はどうするのか。
電気代の上昇によって、それでなくても海外移転が相次いでいる工場移転には拍車がかかる。
それによって、雇用がなくなっていく。

とても長い目でみれば、もともと一つの大陸だったものが分かれて、今の地球の陸地になっている。
ということは、まだまだ動くということだ。
だから、絶対に地震はくる。
この日本が小松左京の言ったように沈没する日が来るかもしれない。
そんなことを考えると、世界中の原子力発電所は危険だ。

そんな日が来るまでに、原子力発電をどうしていくのか。
今止めないといけないのか。
それも、ちょっと前まで動いていた発電所を…、ということだ。
どうしたらいいか考える間、動かしてもいいのではないか、と言っているのだ。

世の中に100%はない。
だから、原発を動かしたときに地震が来るかもしれない。
その上で、原発に事故が起こる可能性もある。
もう作ってしまったのだから、放射性廃棄物はそれなりにあるのだろう。
だから、原発が止まっていても問題は起きるのかもしれない。

しかし、地震は当分来ないかもしれない。
そして来ても事故は起きないかもしれない。
今の財政難の状態で、一日100億は痛い。
雇用が減るのも問題だ。

結局は原発の問題は、リスクを取るかどうか、ということだ。
そこに不確実な要素が入る。
どこでどのような天変地異が起こるか、わからないということだ。

ぼくは基本的に原子力を使うことには反対だ。
人間は原子力を使えるほど賢くないからだ。
でも、今の状況を現実的に考えると、原発は動かすべきだと思う。
この妥協は正しいと思う。

なぜ、そう思わないのか、ぼくには理解できない。

いずれ、やめればいいのだ。

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