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2013.08.13 Tuesday
ビジョンを示すリーダー
アポロ計画を成功させ、月に人を送ることができたのは、ケネディ大統領の言葉だといわれている。
「私は我が国が、この10年間(60年代)が終わるまでに人間を月面に到達させ、なおかつ安全に地球に帰還させることを約束する。」 前にも書いたが、アポロ計画のような何万人もの人が関わるプロジェクトの場合、その目的をみんなが共有できることが大事だ。 それを実現したのが、ケネディの言葉だろう。 実際に月に人が行ったのは1969年だったから、ケネディは暗殺されていてその日を見ることはできなかったが、公約は果たされたことになる。 それを同じような言葉が、「ポケットに入るラジオをつくれ」という言葉。 まだラジオが家具のような大きさの頃、持って歩けるラジオを作れ、と言ったのが井深大。 ソニーの創業者だ。 ソニーのWebサイトにこの話が出ているのを見た。 リーダーは明確な目標を示すことと、それを共有させることが大事だ。 自分が全てをやる必要はない。 しかし、明確で形があり、誰もが共有できる目標を示さないといけない。 ポケットに入るラジオ、という明確な目標を技術者に対して示した井深はやはり稀有なリーダーだったと思う。 まだ真空管が主力の時代に、トランジスタの可能性を見出し、そこにビジョンを示した。 もちろん、そんなことは誰も想像していない。 「ラジオが家具だった時代ですから、「ポケットに入るラジオをつくれ」と言われた社員や下請け会社の技術者は驚き、一度は「無理だ」と話を突っぱねました。しかし、ふたりは絶対に引き下がりません。実際に開発してみると、確かにトランジスタの扱いは難しく、井深氏が「何度も中止しようと思った」と漏らすほどでした。」 とWebサイトには書いてある。 頭の中のイメージを形にして伝え、共有させることがリーダーの第一の仕事だ。 もちろん、そうするためには常に理想を追い求めていることが必要だろう。 そんなリーダーが今の日本に必要なのだと思う。 政治家もしかり。 2020年までに、国債の保有残高を半分にするくらいの目標を示し、その手立てを示さないといけない。 公務のIT化、それによる公務員の半減、道州制の導入…、やることはみんながすでに言っている。 それを実際にやり切ることが必要だ。 もう時間はない。 財政破綻する前に、何とかしないと。 |
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