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2013.03.27 Wednesday
憧れの大リーガーたち
憧れの大リーガーたち ロジャー・エンジェル 集英社文庫
アメリカのスポーツ・ライター、ロジャー・エンジェルが1972〜1976年の大リーグシーズンについて書いた本。原題はFive seasons。 1998年に出た本。中古で買った。 この人は元メジャーリーガーではない。 雑誌の編集者だ。 お父さんは弁護士でありながら、セミプロチームの投手だったらしいが…。 ニューヨーカーという雑誌に発表されたコラムを1冊の本にした。 毎日の試合について書いているのではない。 その年のワールドシリーズや、関わった関係者などを通して書いている。 約5年ずつ、全部で6冊書いている。 これが1962年から1990年までのメジャーリーグの記録になっている。 アメリカの野球好きは、単なるトラキチというようなものではない。 野球そのものが好きなのだ。 哲学的ですらある。 野球というスポーツは特異なスポーツである。 守っているときには絶対に点は取れない。 ボールではなく、人が得点源。 おまけに、4月から10月までの7ヶ月間、ほとんどの日に試合がある。 こんなスポーツは他にはない。 今から40年前の事だが、全く古いとは思わない。 それが野球そのものの事を書いてあるからだろう。 フットボールに対抗して、ワールドシリーズが10月の寒い時期にナイトゲームで行われることなども書かれている。 テレビ中継で見られる人は増えるが、球場に通うファンはどうなるのかということだ。 彼は、やっぱり、球場に行って実際のゲームを見るファンを大切にすべきだという。 そして、自分が小さい頃に野球に連れて行ってもらったことを書いている。 そういう原体験が、彼の文章にはあふれている。 こういうエッセイが出てくると、日本の野球も本物になるんだろう。 まだまだメジャーリーグには追いつけない。 そんな本だった。 |
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