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2012.02.26 Sunday
大学関係の本
大学関係の本で、新書で出ているのはほとんど批判本だ。
「アホ大学のバカ学生」という本を読んだ。 なかなかよく書けていると思う。 取材も頑張ってやったのだろう。 どの本も今の大学の状況を嘆き、学生・教員を含む全体のレベルが下がっていること、いかに大学が遅れているかということなどを書いている。 書いてある事自体は当たっているし、大学は謙虚に受け止めるべきだと思う。 しかし、大事なことを忘れていないか。 なぜ、レベルの低い大学生が入ってくるかについて、疑問を呈した本は少ない。 そして実際の大学生のレベルが、特にばらつきの下の方はどれくらいひどいかについてとりあげた本も少ない。 入れた以上大学には出す責任がある。 そんなにレベルの低い学生は取らなければいい、という批判もあるだろう。 しかし、そんな学生を入れなくてもいいのは、ごく一部の国立大だけだと思う。 もうだいぶ前に分数ができない大学生という本が出たが、分数を習うのは小学校だ。 小学校から、算数の積み残しが始まっている。 要は、小学校で習うことができないまま、高校を卒業している学生が多数いる、ということだ。 これは由々しき事ではないのか。 ああ、そんなこともあるんですか…、と笑っている場合ではない。 小学校での積み残しを、中学でも、高校でも、見過ごして卒業させてきている事実を、どう考えるのか。 それが一番の問題であって、この問題を取り上げないのはおかしいと思う。 約分や通分、帯分数と仮分数などがわからなくて、どうして中学も高校も卒業できたのか。 その時だけ、わかったのだろうか。 中学、高校の数学の先生は、そういうことに気づかなかったのだろうか。 数学の先生でなくても、気づくことはなかったのか。 どうやって、中間考査や期末考査をクリアしてきたのだろうか。 指導要領に、分数の計算を教えろとは書いていなかったとでも言うのだろうか。 結局、定期考査の時は、この問題が出ると教師が言って、覚えさせるようなことをやっているのではないか。 少し前に履修漏れの話があったが、そんなことよりもこちらの事実のほうが問題だと思う。 話は小学校から始まって、中学校、高等学校と続いているのだ。 12年間の間、いったい何をやっていたのか。 土曜日の新聞で、平均の概念がわからない大学生が24%と書いてあったが、国公立と中堅私学の40校程度の学生が対象とのこと。 全国の大学は750校くらいある。 問題を見たが、あれをわかる学生は76%もいるわけがない。 まともな大学の関係者のほとんどは、そんなことはわかっているはずだ。 日本数学会のエライ先生が知らないだけだ。 理科離れなどよりもよほど大きな問題だ。 文科省か教育委員会か知らないが、みんな見てみぬふりをしている。 現場の先生も見て見ぬふりだ。 生徒がかわいそうだと思わないのか。 指導要領など、どうでもいいから、ちゃんとやってくれ。 ?育される方より、教育する方を教育することが必要だと思う。 |
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