考えたこと2

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知足安分
山本七平が講演の中で言っていた。

江戸時代、信心深い人というのは、知足安分を基礎に生きている人だということだ。

知足安分は、ちそくあんぶんと読む。
足ることを知って、分に安んじる、という意味。分は分際の分である。

要は高望みをせず、自分の境遇に満足すること。

江戸時代の日本人で信心深い人は、前世、現世、後世の3つを生きるもので、だいたい、この3世を平均するとみんな同じになる、という考え方だったらしい。

現世で金持ちなのは、前世か後世で貧乏だし、現世でお金を取られた人は、きっと前世でお金を取った人で、本来ならこちらから返しに行かないといけないのに、親切にも向こうから取りに来てくれた、という考え方になる。

こういう考え方をしておれば、何に対しても文句が出るはずがない。
年貢をたくさん取ってくれ、という人もいたらしい。
これは、後世で楽ができるように、ということだ。
だから、日本人は非常に諦めがよい。

ちょうど敗戦の時の日本人がこういうふうだった、と山本七平は言う。

良い意味では何かにこだわらず、前向きに生きていけるし、悪い意味では過去のことを反省しない。

なるほど。
そういえば、そんな気がする。

何かがあっても、これは仕方ない、と思う時がある。
意識はしていないが、これは前世の因果か、あるいは後世で取り返せるのか、とにかく現世ではどうにもならない、という感じだ。

そういう強さが日本人にはある。
そういう弱さがある、と言ってもいいかもしれない。

足ることを知って、分に安んじる。

これはキリスト教にもないし、仏教にもない。

日本人は十分に宗教的だろう。



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