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2018.02.23 Friday
夢を語る
大学でキャリアに関係した仕事をしていると、思いの外学生が将来の仕事について考えていないのがよくわかる。
ぼくらも、将来何をしたらいいかわからない、という感じだった。 就職前になって、求人票を見て考える、という程度のことだったと思う。 それでも、大学生の数が少なかったし、高度成長時代だったから、何とかなったのだと思う。 今はそういうわけにはいかない。 その対策として、高校でキャリア教育の時間などもあり、一応将来のことを考えさせているらしい。 それだからか、こういうことがやりたい、という夢を持っている大学生が多い。 特に資格養成系でない普通の文系学部(法・経・商・文など)は、自分でこんな仕事をしたい、という気持ちを持っていないといけない、ということだ。 夢を持つこと自体はいいことだが、単に持てばいいというものではない。 もう大学生になるのだから、夢を実現するためのステップも考えないといけない。 実現するステップを考えないなら、単なる空想だ。 夢はどんなに大きくてもいいが、それを実現するステップが重要だと教えてほしい。 でも、高校の先生は教員免許を取って、採用試験に通って先生になったのだから、分からない道を歩いてきていない。 だから、夢を持たせて終わりになっているのではないか。 将来の可能性は無限大だ、などという言葉は小学生に伝えるものだと思う。 年齢が上がるにつれて、可能性は狭くなるのが一般的。 例外はいるが、それはあくまでも例外だ。 高校でコースを選択していれば、そこでも可能性は変わる。 すでにチョイスしている、という事を伝えないといけない。 苦い言葉になるが、それは伝えないといけないのだ。 夢ばかりではダメだ。 プロ野球の選手になりたいという夢があるなら、甲子園に出場するランクの高校の野球部に入り、そこで活躍することが必要だろう。 そのためには、中学でどういうチームでどんな活躍をしないといけないということを考える。 みんながみんなではないが、今のプロの選手はそういう道をたどってきたのだと思う。 よほどのことがないと、高校3年になって、野球もやったことがない人が「将来はプロ野球の選手」などということはない。 ステップがわかっているからだ。 でも、一般の会社員になるのなら、そのステップは明確ではない。 そこが難しいところ。 語学とかコンピューターとか、問題意識を持つための読書とか一般的なスキルはある。 そのためには、こういう仕事をしたければ、こういう本を読んだり、スキルを習得したりすることが必要だ、というガイドが要る。 あるいは、自分がしたい仕事を見つけるために、どんな事を考えるべきか。 どんなふうに時間を過ごすべきか。 そういうガイドだ。 特に今の日本の文系の仕事は、大学で学んだことと関係がない。 全学部、全学科で求人が来る。 専門性は一切問われない。 だから、なおのこと決めにくくなる。 だからこそ、ほんの少しでもいいから、そういうガイドを伝えるべきだと思う。 |
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