考えたこと2

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電気代
今日のニュースで大阪の工場が出ていた。
レーザーでステンレスの板を切り抜くという工場で、電気をたくさん使う。
社長が電気代を見せていたが、去年30万ちょっとだったのに、今年は40万を超える請求書が出ていた。
電気代のプラス10万は痛いだろう。
30パーセント増しだ。
いずれ、日本を諦めて、海外に出て行く決断をしないといけないのかもしれない。

一般のおじさんもインタビューで出ていたが、電気が足りたらそれでいい、ということだった。
おじさんは電気代が上がっても、かまわないのだろうか。

事は電気代だけでは済まない。

野菜や果物でハウス栽培しているものは、電気代がかかっている。
工業製品はすべからく電気を使って作っている。
だから、ほとんどの工業製品は値上がりを余儀なくされるか、値上げをガマンして給料が下がるか、非正規社員が増えるか、倒産するか…、いずれにせよ生活は苦しくなる。
あのおじさんがそこまで考えて、電気が足りたらいい、と言ったかどうかはわからない。

どう考えても、年金生活者風だったおじさんだが、物価が上がったら困るんではないかと思う。

エネルギー戦略は大事だ。
今や人間のほとんどの活動にはエネルギーがいる。
だから世界のどの国も、石油を確保しようとしているし、だからこそ石油の値段が上がっている。
その石油も採掘はピークを過ぎたらしい。
真剣に脱石油を考えないとイケナイ。

代替エネルギーも盛んだ。
南米ではとうもろこしから作られたバイオエタノール燃料でクルマが走っている。
だから、牛の飼料に回す分のとうもろこしが足りなくなって、飼料が値上がりする。
それで酪農が苦しくなって、バターが足りないということもあるだろう。
エネルギー不足は思わぬところで思わぬことを起こすということだ。

もちろん、太陽光発電や風力発電、地熱発電などは大事だが、日々の生活を支えるベースの発電としてはまだまだ苦しい。
どこの国も、どうやってエネルギーを確保するかで、血眼になっている。

一方で、石油や天然ガスを輸入して燃やしているのが、今の日本の状況。
昭和の時代、中近東の石油はいくらでも出て、いくらでも使えた。
おまけに値段も安かった。
それを使って、日本は重化学工業やモータリゼーションを起こし、世界2位の所得の国になった。
本当にラッキーだったと思う。

でも、それに甘えてバカになってしまったのではないか。
エネルギーはあって当たり前ではない。
なかったら、即座に困るものだ。
人の命を助けようと思うと、エネルギーが必要になる。
熱中症の予防には冷房がいるし、病院の電気が止まったら、たくさんの人が危なくなるだろう。
そんなギリギリで、「足りたらいい」というようなものではないのだ。

エネルギーは、ライフラインだという認識が、日本にはない。

みんなあって当たり前の生活を長らく送ってきて、そのありがたみをわかっていないと思う。

あのおじさんもいつかは分かる日が来るだろうが、その時はもう遅いかもしれないぞ。


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