考えたこと2

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インターネットの弊害
インターネットで調べたいことを検索窓に入れて、検索を実行するといくつかの有力なサイト名が出てくる。
これをいかに正確にするか、というところに技術がある。
よくはわからないが、Googleのすごさは、それこそ玉石混交のインターネット上の情報に対して、どこの情報が確からしいか、ということを早く、正確に見つけるという技術だと思う。
そこから派生して、他にもいろいろなビジネスを展開しているが、基礎になっているのは検索技術だろう。

世界中のWebページの情報を収集して回り、各ページの内容のインデックスを作り、ページランクを決め、それで検索語とそれに類似するワードでの検索を実行する。
ページランクは信頼できるページからのリンクの数等で決まるらしい。
こういう仕組みがグーグルの検索を支えている。

だから、簡単に確からしいページにアクセスすることができる。
一昨日も書いたが、世界中で情報発信をしても、得るところは小さい。
それらの情報を確からしいものとそうでないものに分け、人々が信頼できそうだという情報を選び、それが検索結果に反映されないと単なるたくさんのゴミになってしまう。
それを実現しているのがGoogleという会社だろう。

しかし、検索エンジンの発達に伴って、宿題をインターネットの検索でやってしまうという事例が出てきた。
小保方さんの博士論文のように、コピー&ペーストでやってしまうということだ。
2010年に中学生に調査した結果によると、2割程度の生徒が、レポートや作文、読書感想文など、自分の考えを自分の言葉でまとめるべき課題で、ネットの情報の丸写しをしているとのこと。

インターネットの普及に伴って、こういう弊害も出てくる。

ぼくは10年ほど前にこういう状況を見た。
大学の図書館で、授業の課題をやっている学生が、検索しても結果が出てこない、という。
課題はたしか「昭和初期の肺炎の罹患率」とかいうものだったと思う。
結果が出てこないのではなくて、自分のほしい結果がすぐに出てこない、という意味だ。
その学生は、答えを求めていた。

ぼくは「白書をみてみたらどうか」と言うと、「白書って何ですか」という返事。
各省庁が毎年出している本、という説明をしたが、実際にそれをあたったかどうかは知らない。

その学生は、課題となっている言葉、そのものズバリを検索窓を入れたら、答えが一発で出るもの、というふうに考えていたのかもしれない。
Webが進みすぎたのだ。
多くの場合、当たらずとも遠からずのページが検索結果として出てくるのだろう。

そもそもそういう文書がWeb上に出ていなくて、他の人もあまり検索していないような情報は、Webの検索では解決しない。
当たり前のことだ。

インターネットのない昔なら、百科事典とか、いろいろな資料を当たって、探していたものが、検索一発で出てくるようになった。
それは技術の進歩だろう。

あれから10年。
もうそれが中学生にまで下りてきている。
親も、インターネットで調べたらどうか、と言っているのだろう。
それは当然だ。
知らないことはインターネットで調べれば知ることができる。

でも、自分の考えを書くべきところをコピペしてしまうのはよくない。
便利さを享受することは大事だが、先生の指導が難しくなった。

先生の技量が試されるのだと思う。


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