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2014.07.23 Wednesday
アメリカのトークショー
こないだ書いたが、The Late Late ShowというLAでウィークディにやっている深夜のトークショーを、3週間ほど遅れて週に1回選り抜きで、ケーブルテレビでやっている。
そのオープニングに、司会者のクレイグ・ファーガソンが話をするのだが、これがきわどい。 ワールドカップのジョークは「サッカーファンのふりをする」というもので、これはLAの人たちに大受けだった。 いくらジョークとはいえ、「そんなことを言うのは不謹慎だ」という人がいてもおかしくないレベル。 まあ、ほんとによほどサッカーファンが少ないのだろう。 おそらく、日本なら客が受けないし、苦情が来るかもしれない。 もっとビックリしたのは、国民性のジョーク。 日本でもオンエアするくらいだから、結構人気がある番組なんだと思う。 毎回、客席から何人か選んで前に出てきて話をするのだが、こないだはドイツから来た人が出ていた。 クレイグ本人は、ドイツ訛りの米語で話すという自分のネタがあるらしいが、ドイツ人のことを「マジメで堅物」という感じのジョークを言う。 これも、日本では「不謹慎だ」というクレームが来てしまうレベルだと思う。 それでも、この番組は成り立っている。 アメリカは「人種のるつぼ」と言われるほどの多民族国家。 深夜放送とはいえ、こんなのいいのかな、と思ったのが正直な感想。 でも、The Late Late Showは人気番組で、長いことやっているのも事実。 アメリカに住んでいるドイツ人も、きっと一緒になって笑っているのだろう。 それは、逆にこのショーが長いこと続いているからこそ、理解されているのだと思う。 結局は司会のクレイグ自身と、視聴者の信頼関係に負うのだと思う。 おそらく、「不謹慎なことを言うな」という声が出ても、「それなら番組を見るな」とか「あれはジョークだ」という声が、この番組を守るのだろう。 下ネタはあるが、それはこの時間の番組なら、まあいいだろうと思う。 でも、セクハラの本家アメリカでも、テレビで下ネタを言えるのかとビックリした。 これも、言った本人に対する信頼関係だろう。 聞いたほうが言った人を信頼していて、不快でなければいいのだ。 もちろん、深夜という時間帯だから、というのもある。 こういうのを見ていると、その国の懐の深さを感じる。 何か一つのことに一生懸命になっていても、その反対側で茶化す人がいるのは、社会として健康的だ。 そういう皮肉とかジョークとかユーモアとかいう感覚は、日本人にはわかりにくい。 ヤジもそういう感じで言えば、問題にならない(と思う)。 一方でセクハラ訴訟が起こり、一方でセクハラまがいの下ネタをテレビで言っている国。 アメリカは懐が深い。 きっと日本人もジョークのネタになっているんだと思うが、その回は飛ばしているのだと思う。 見てみたい気もするが…。 |
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