考えたこと2

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フランシス・フクヤマ
どういうわけか本屋で見つけて買ったのが、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」だった。
1992年に文庫化されているから、その後に読んだ。
いつ頃かははっきりしない。

全く書評など関係なく買った本だったが、面白かった。
知的生き方文庫で、渡部昇一が翻訳している。
当時、渡部昇一の本を読んでいたから、それで手が出たのかもしれない。

アメリカの政治学者で、自由と民主主義の体制はベストではないかもしれないが、これ以上の選択はないだろう、というような本だった。
ソビエトの崩壊を受けての本だったと思う。
ぼくにとっては、わからない部分の方が多かったが、要はそういう時代の雰囲気を表していた。

フクヤマはまだ65歳。
この本を書いた時は、30代だったのか。
日経で時々彼の記事を読むが、今日もトランプ氏について書いていた。

彼は個別の政策では、トランプ氏が公約していたメキシコの壁が作られず、オバマケアが存続していることなどから、アメリカの民主的な体制は続いているという。
しかし、政治文化がダメージを受けた。
トランプ氏が人々の怒りをあおる発言をして、アメリカを分断しようとしているということだ。
彼の政治手法は、敵を作ってそれをたたくことで人気を得る、というやり方。
それはよくないのだ。

共和党はポピュリズムの方向に転換させられ、民主党は左旋回している。
これは危険なことだという。
また、問題だらけだから1期で終わるだろう、という意見についても楽観的すぎると指摘。

北朝鮮についても、過激な物言いを繰り返しているが、それは自身を追い込むかもしれないから、危ない。
専制的な指導者を好んでいるようにも見える。

フクヤマの意見によると、トランプ氏では社会の分断を止めることはできないという。
民主党がトランプ氏の支持者を取り込めるような候補を立てることが大切だ。

フクヤマの言うことは正しいと思う。
ネットがここまで発達した今、ポスト・トゥルースの時代。
何が本当かわからないほど、いろんな意見を簡単に流布できる。
人は真実を求めるのではなく、自分が真実だと思うものを真実だと思いこむのだ。

フクヤマは民主主義が今の世界でも生き残ると思っているのだろうか。
思っているかもしれないが、あの当時よりもだいぶ懐疑的になっているはずだ。

残念ながら…。



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