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2011.08.25 Thursday
紳助の引退
島田紳助が引退した。
突然の会見で、所属事務所の吉本が詰め腹を切らせた格好。 テレビ局に違約金を支払っても、引退をさせた吉本には、よほどのっぴきならない事情があったのだろう。 どうしても、関西の芸人には、やくざとの関係というダーティな部分がついて回る。 関西ローカルでおさまっていればよかったのだが、全国区になるとそういうわけにはいかない。 吉本もこの件に関しては、どうしようもなかったのだと思う。 芸人というと、興行の世界だから、どうしても地域の実力者がついて回る。 今はプロダクションなどと言って、きれいな仕事みたいになっているが、ちょっと前までは劇場や飲み屋を回っていたのだ。 紳助は数年前にトラブルを解決してもらったのが、ヤクザということらしい。 政治的発言に関するトラブルだとか…。 やはり、その世界に顔がきくのは右翼やヤクザということか。 本人もぶざまとか、最低とか言っていたが、たしかにルール違反という事でいうと、認識が甘かったのだろう。 ちょうど、サンデープロジェクトに出ていた頃ではないか。 素人としての発言が面白いということで起用されたと思うが、番組での発言が右翼の大物の逆鱗に触れたのかもしれない。 これから、いろんなニュースが出てくると思うが、それはそれとして、彼の引退はよかったと思う。 テレビに対する功罪ということでいえば、ぼくは罪の方が大きいと思う。 バカを売り物にするタレントが増えた。 ものを知らないことが、売りになる。 こんな事も知らないのか、という安心感が視聴者に受けたのだろう。 これは大きな罪だと思う。 それをバカにして笑うという手法。 こんな原始的な笑いをエンターテイメントとは言わない。 夜中にやるのならかまわないが、それをゴールデンタイムにやるというテレビ局の見識のなさも手伝った。 司会のトークで売るという手法も確立した。 これ自体は悪いこととは言わないが、話のほとんどは楽屋落ちだ。 話題になっている人を知らなければ、面白くない。 初めて聞いた人は、全くわからない。 こないだ亡くなった前田武彦は、そういう笑いは認めないだろう。 そういう笑いから、もう卒業しよう。 楽屋落ちは内向きなのだ。 楽屋の中の人だけが笑える。 外向きにならないとダメだ。 昔、大宅壮一はテレビを見ているとバカになると言い、一億総白痴化という言葉を生み出した。 でも、当時はまだマシだったと思う。 もちろん、大宅の世代はひどいと思ったに違いないが…。 下には下があった。 大宅壮一が生きていて、バカが闊歩するテレビ界を見たら、どう言うだろうか。 あまりにひどすぎて、無言かもしれないなあ。 |
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