考えたこと2

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新型エンジン
マツダが、新型のエンジンの開発を含む長期ビジョンを発表した。

広島が本社で、ぼくの田舎(といっても親父の出身地で住んだことはないが)なので、何となくなじみがある。
世の中電気自動車の時代になるかと思っていたら、いろいろと制約があって、まだまだコスト面でエンジンの時代が続くという予測をこないだ聞いた。
全てが充電して走るということになると、電気が足りなくなるし、新設の発電所の出すCO2(火力発電の場合)もバカにならない。
さらに、これから石油が高騰すればEVの可能性もあるが、当面シェールオイルなどの影響でガソリンは高くならない。
今はEVに出ている補助金も、だんだんと無くさないといけない。
だから、経済的に見て、エンジンは無くせないということだ。

マツダは会社の規模からして、ガソリンエンジンの低燃費化に加えて、EVや燃料電池車の開発を並行でやるにはシンドイのだ。
だから、当面はガソリンエンジンを低燃費化するということに経営資源を集中するらしい。
そこで、新型エンジンの発表をしたという経緯。

2019年に投入するらしい。
新型エンジンは、ディーゼルのように圧縮することでガソリンに点火し爆発させる。
世界中のどこのメーカーも実用化していない技術だ。
これで燃費が2割〜3割よくなるとのこと。

マツダというと、世界で1つの技術を以前も持っていた。
ロータリーエンジンだ。
おむすび型のローターを回すというエンジン。
マツダだけが量産化できた。
残念ながら、燃費が悪く、今は生産していないが、小型化のメリットを生かして、発電専用のエンジンを検討しているとのこと。

広島の会社が、エンジンで2つの世界唯一を達成する。
そのメリットを認めて、トヨタが提携した。

両社でEVを開発するという計画とのこと。
電気自動車については、トヨタに任せて、マツダはエンジンに注力するということだろう。
そのエンジン技術をトヨタももらう。
WIN-WINの関係だ。

それでも、一定数のEVは環境規制等の影響で世の中に出ていくことになる。
その先行者利益を誰がとるか、ということだ。
今はアメリカのテスラというEV専業メーカーが鼻息が荒い。
そこは敢えてマツダは取らないということだ。
それは大丈夫なのか、と不安になる。

だから、トヨタと組んで保険をかけたということだ。

この戦略がマツダの生き残りに吉と出てほしい。

| | 考えたこと | 23:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
残業ゼロ法案
労働組合が「高度プロフェッショナル制度」に反対した。
高度プロフェッショナル制度というのは、年収1075万円以上の専門職に対して、労働時間の規制や残業代の支払い対象から外す制度。
専門職の対象は為替ディーラーとか、研究開発職、コンサルタントというように限られている。

そういうことなら、構わないのではないかと思う。
普通の労働者は対象から外れる。
対象の職業は、時間で縛られる仕事ではないだろう。
年収1000万以上を稼ぐ人は、自律的に働ける人だと思う。
会社に来ないといけないときは来るだろうし、残業が必要なときはするだろう。
もともと、残業という概念がない仕事かもしれない。

こういう法律が出てきた背景には、一般的な事務や工場ラインでの労働がこれからは減っていく、という前提があるのだと思う。
パソコンが普及し、単に転記するとか、集めて計算するというような仕事は減った。
2004年に会社を辞めるとき、もう手書きの伝票などなかった。
集計から分析まで、コンピューターでできるようになり、経理の事務の人はいなくなった。
キャッシュレスも進み、昔なら現金を受け渡すという業務があったが、それもなくなりつつあった。

工場でもモノを運んだり、加工をしたりする仕事はロボットになった。
人間が必要なのは、複雑な判断が必要な検査とか、確認、組立などに限られる。
実際、目視検査については、センサーの性能が上がり、画像で判断するAIができてきたので、そういう仕事も徐々にAIに変わっていく。

そういう時代背景もあって、高度プロフェッショナル制度が提案されたのだと思う。
そのうち、そういう仕事しかなくなる、ということだ。
時間単位の労働から、何をしたか?という成果を問う仕事が主流になっていく。
本来の意味で、成果を問う仕事になるのだ。

労働組合はいったん賛成したのに、やっぱり「残業ゼロ」という言葉に組合員が反応して、反対に回った。
しかし、年功序列で終身雇用という賃金体系を変えていかないと、これからは生き残れないと思う。
優秀な人材に対しては、若くても高い給料を払うという外資に対して、日本人の若い人たちすらつなぎとめられなくなってきている。

日本は、高度成長という成功体験から離れられず、ドカ貧になりつつある。
高度成長を生んできた、年功序列という賃金体系では、働く人が減り、低成長でグローバル化して、どんどん新技術が入ってくる世界では、もう対応できないのだ。

高度プロフェッショナル制度はその第一歩なんだろう。

反対している場合ではないと思う。



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