考えたこと2

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教員のミスマッチ
また教育困難大学の記事
下位の大学は、受験生を確保するために、あの手この手を使っている。
なかでも、夏の季節はオープンキャンパスで受験生を呼ぶ。
大学に転職当時、これは一体何かと驚いたが、Wikipediaによると2000年代から始まったらしい。
ぼくが転職した当時は、ちょうどオープンキャンパスが始まってしばらくした頃だった。

Wikipediaには、高校生に大学の説明をして、ミスマッチを防ぐということが書かれているが、下位の大学では明らかに受験生を獲得することが目的。
そうでなければ、経営が苦しいからだ。
そういう大学では、専任教員が高校に出前授業をしたりする。
受験生に、自分の学科の面白さを宣伝して、来てもらわないといけないからだ。

ぼくがいた大学では、そういう営業ができる先生とできない先生がいた。
どちらかというと、できない先生の方が多かったんだと思う。
なぜできないかというと、高校生に面白おかしく授業ができないからだ。
そういう訓練を受けて、教員になったわけではないから、仕方ない。

まともに考えれば、その分野で研究をしているのだから、誰でも面白さを伝えることができそうなものだが、悲しいかなそうではない。
行ってもらったところ、高校側から「あの先生はダメ」という声が出る。
そうなると、逆効果なので、二度と行かないことになる。

だいたい、そういう先生は研究実績も芳しくない。
元々、下位の大学では学会誌に論文が出せるような先生は一握りだが、5年以上何も書いていないという先生がザラにいる。
だから、教育実績とか、地域貢献とかで頑張らざるを得ない。
でも、趣味でやっているような授業だから、教育実績も上がらないし、ゼミ生の面倒見も、よくない事が多い。
そういう先生に限って、事務に対しては「私の研究は…」などというから困る。

結局、マジメに研究している先生が、受験生への営業もできる。
だから、毎年行く先生は決まってくる。

教育困難大学の問題の大きな部分は、そういう教員の存在だろう。
下位の大学の大学教員というのは、一般的に学校に対する帰属意識が薄く、上位の大学に変わりたいとは思っている。
でも、結局は変われない。
たいがいの大学教員の求人は、学術論文の実績や教育成果などが重視されるから、なかなか他には行けない。
だから、不満ながら、そこで一生を終えるのだ。

そういう先生たちに教えられる学生が気の毒なのは、当然の結果。
結局は大学の価値は先生で決まる。

そこを書いてほしかった。



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