考えたこと2

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自己啓発本
自己啓発という言葉は、あまり馴染みがない。
あまり自己啓発本(昔はハウツー本などと言っていた)は買ってないと思う。

と思って、アマゾンの自己啓発本のベストセラーを見たら、「夢をかなえるゾウ」が入っていて、これはだいぶ前に読んだ覚えがある。
でも、今は本屋に並んでいる自己啓発本はすごい量だ。
古いところではカーネギーの「道は開ける」とか「人を動かす」とか。
たしか、1冊は実家にあったと思う。

昔は功成り名を遂げた人が書いたものだが、最近は知らない人が書く。
よく見る「人は話し方が9割」という本は永松茂久という人が書いている。
「9割」はシリーズで3冊出ていて、ビジネス本ではベストセラー。
ビジネス本は自己啓発本と読み替えてもいいと思う。

永松茂久氏は株式会社人財育成JAPAN代表取締役という肩書で、実業家としてもいろんな顔を持つから、一応成功者ということなのだろう。
松下幸之助や本田宗一郎とはだいぶスケールが違うが、今の売れ線らしい。

全部で131冊書いている。
「人は話し方が9割」という本はレビューに「2時間くらいでちゃっちゃと読めて、参考になる。ただし、プレゼンのハウツーではない。円滑なコミュニケーションの築き方の本。広く捉えれば、人生を楽しく生きるための指南書とも言えるだろう。」と書いてある。
ビジネス本というより、生き方指南の本なのかもしれない。

タイムパフォーマンスの時代だから、すぐに読めることも大事なのだろう。
読破するのに3日かかる、というようなものは避けられるのか。
そういえば、「夢をかなえるゾウ」も読みやすかった。

こんな時代、あまり内容が重たい本は売れないのかもしれない。

ぼくらの若いころは自己啓発本、ハウツー本などはどちらかというとバカにされていたと思う。

賞を取った作家とか、文壇の大物、入試対策で読まされた夏目漱石や森鴎外、わけのわからなかった小林秀雄などは読まされた本だったか。
それでも、当時の本は小説でも、短編でもお手軽に読める、という感じではなかった。
そういう編集方針というか、書き手の意識が違ったのだろう。

ヤフーの質問に「昭和のころ、現代国語の入試問題で小林秀雄が好まれた理由は何ですか?当時の大学の先生は、高校生が小林秀雄を理解できると思っていたのですか?」というのがあった。

回答は、

「小林秀雄や小林と同様の逆説的、反語的発想を得意とする批評家の文章が好んで入試の素材分に採用されてきたのは、より優れた思考力、理解力を備えた学生を選抜するには、世間で幅を利かせている常識(俗説、因襲等)に囚われがちな受験生をふるい落とすことのできる問題を出題するしかないからです。
もちろん、現代文の問題作成におけるこういう基本方針は、今後も変わることはありません。
言い換えますと、小林秀雄を読解できる程度の思考力、理解力を備えている受験生ほど、どんな現代文の問題が出ても恐れるに足りないということになります。」

と書いてあるが、小林秀雄の批評文は全くわからなかった。

でも、当時の若者は背伸びして、難しい本を読んでいたのは事実。
何の役にも立たなかったが、わからなくても活字を読むという習慣はできたのかもしれない。

お手軽な自己啓発本が流行る時代。
それだけ生きることが大変になって、必要とされているのかもしれない。

| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) |