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2022.07.18 Monday
色即是空
このところフォローしている「若新雄純」という人。
マルチなタレントである。 女子高生がまちづくりをするというJK課を作ったりしている人だ。 慶応大のSFCの教授でもあり、若い頃には起業家でもあり、現在もビジネスマンでもある。 この人は最近浄土真宗の僧侶の資格を取った。 福井出身で、わりと仏教が強い地域だったから、縁があったのかもしれない。 その人が「色即是空」ということについて話していた。 漢文を読み下すと、「色(しき)はすなわちこれ空(くう)」。 意味は「万物の本質は、実体のない空(くう)であり、執着してはならないという仏教の根本的な考え」ということだ。 人間のコミュニケーションが研究テーマで、産業カウンセラーの資格も持ち、ファシリテーションやキャリアについても詳しい若新氏が「色即是空」という言葉が好きだとは少し意外だった。 自ら「中2病」を引きずっていると言っていて、自意識の強い人だと思っていたが…。 鴨長明の方丈記の書き出しの文章を思い出す。 「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。」 ぼくはこの文章が「色即是空」だと思う。 若新氏は、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」の歌詞が「色即是空」の概念を表している、という。 Bメロの歌詞の最後の部分。 やさしさに包まれたならきっと 目に映る全てのことはメッセージ この「目に映る全てのことはメッセージ」というのが、認識できるものは全て実体のない「メッセージ」である、ということ、すなわち「色即是空」なのだ、という。 そう言われれば、そうかもしれない。 ユーミンがどう考えて作ったのかはわからないが、この歌のAメロの最初が「小さい頃は神様がいて 不思議に夢をかなえてくれた」。 何となく共感する。 この神様が仏様なのかどうかは分からないが、今から思えばそんな気もする。 もともとこの歌はいい曲だと思っていたが、そういう意味付けをすると、もっといい曲に思えてしまう。 ユーミンのベストに入れておこう。 |
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