考えたこと2

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色即是空
このところフォローしている「若新雄純」という人。
マルチなタレントである。
女子高生がまちづくりをするというJK課を作ったりしている人だ。
慶応大のSFCの教授でもあり、若い頃には起業家でもあり、現在もビジネスマンでもある。

この人は最近浄土真宗の僧侶の資格を取った。
福井出身で、わりと仏教が強い地域だったから、縁があったのかもしれない。

その人が「色即是空」ということについて話していた。
漢文を読み下すと、「色(しき)はすなわちこれ空(くう)」。
意味は「万物の本質は、実体のない空(くう)であり、執着してはならないという仏教の根本的な考え」ということだ。

人間のコミュニケーションが研究テーマで、産業カウンセラーの資格も持ち、ファシリテーションやキャリアについても詳しい若新氏が「色即是空」という言葉が好きだとは少し意外だった。
自ら「中2病」を引きずっていると言っていて、自意識の強い人だと思っていたが…。

鴨長明の方丈記の書き出しの文章を思い出す。

「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。」

ぼくはこの文章が「色即是空」だと思う。

若新氏は、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」の歌詞が「色即是空」の概念を表している、という。
Bメロの歌詞の最後の部分。

やさしさに包まれたならきっと 目に映る全てのことはメッセージ

この「目に映る全てのことはメッセージ」というのが、認識できるものは全て実体のない「メッセージ」である、ということ、すなわち「色即是空」なのだ、という。

そう言われれば、そうかもしれない。

ユーミンがどう考えて作ったのかはわからないが、この歌のAメロの最初が「小さい頃は神様がいて 不思議に夢をかなえてくれた」。
何となく共感する。

この神様が仏様なのかどうかは分からないが、今から思えばそんな気もする。

もともとこの歌はいい曲だと思っていたが、そういう意味付けをすると、もっといい曲に思えてしまう。

ユーミンのベストに入れておこう。

| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 22:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
ESG投資
大和証券のホームページにESG投資についての説明がある。
「ESG投資とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のことです。ESG評価の高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性など優れた企業特性を持つと言えます。」とある。

証券会社は単に商品を売るために言っているのだろう。
どれだけ本気でそう思っているのかはわからない。
「SDGsなどをホンキでやろうと思っている企業は良い企業だ」と思っているような人たちの投資を呼び込もうとしているのだろう。

投資の目的が崇高な理想に向けてのものなら、それもいいだろう。
でも、投資の目的は昔からお金を増やすことだ。
それが目的なら、考えたほうがいいと思う。

日本でもニュースで流れたが、スリランカの大統領が国外脱出した。
経済危機で国の「破産」を宣言して、インフレになって国民が暴動を起こして、大統領は逃げたということだ。
スリランカの大統領はESGを目標として、いい国を作るべく頑張った結果、こういうことになったらしい。
その証拠に、スリランカのESGスコアは98.1とほぼ満点。
途上国ではトップレベルだ。

もちろん、無理な経済政策がたたったのもある。
しかし、この大統領はESGに熱心なあまり、スリランカの農業を壊滅させたのだ。

その原因は、環境を保護するという名目で、去年の4月から化学肥料を禁止したことだ。
そのために、作物の収穫量が激減し、農作物の輸出ができなくなった。
人口の70%が農業と関係している国で、これは社会的に大きな問題になる。
約半年で化学肥料の禁止は撤回されたが、時すでに遅かった。
作物の収穫量は約半分になった。

窒素化学肥料のおかげで世界の農業生産は上がった。
それが事実だと思う。

ESG投資のおかげで、スリランカは破綻した。
ESGという目的を推奨していいのか。
ぼくはESG投資を掲げているファンドなど信用しない。

アダム・スミスが「神々の見えざる手」と言ったのは、一部の人たちが「環境・社会・企業統治」などという偏った価値観で投資をするようなことではないだろう。
あくまで、投資の結果が拡大再生産するという方向に行くという点も考慮しないといけない。

ESGという観点は必要だと思うが、それを目的に投資をするというのに騙されてはいけない。


| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 00:39 | comments(0) | trackbacks(0) |