考えたこと2

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キリギリス
ぼくらの世代は、期せずして高度成長の波に乗った世代だった。

「期せずして」と書いたのは、昭和ヒトケタの人たちのように、戦後の焼け跡を見て、強く高度成長を望んだわけではないからだ。
焼け跡から立ち直った人々、都市部に住んでいた人たち、戦争に行って幸いにも帰ってこれた人たちは、絶望の時代を過ごし、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われるほどにした。
カタコトの英語で、海を渡ってアメリカに商売に行った人たちは、エラかったと思う。

ぼくらは、明日は今日より豊かであるのが、当たり前だと思ってきた。
部署が増えて、ポストが増えるのも当たり前だった。
サラリーマンは税金を天引きされているが、その使途もおかまいなしで、のほほんとしていた。

エコノミックアニマルなどと言われ、うさぎ小屋に住んでいると言われたが、それでも平気だった。
明日は今日より豊かだったからだ。

昭和ヒトケタの人たちが、焼け跡から復興した。
世界の国々が、復興には50年はかかるだろうと思っていたのに、わずか20年で復興を成し遂げた。
アメリカの助けはあったが、それでも子供心に日本はすごい国だと思われた。
ソニーやホンダが誇らしかった。

しかし、2000年以降は様子が変わってきた。
21世紀はアジアの世紀だというが、日本はどちらかというと存在感が薄れてきた。
どこで間違ったのだろうか。

ぼくらは、決してサボっていたわけではない。
一生懸命働いたと思う。
でも、やり方がどこかで間違っていたのだろう。

自分ではアリのつもりでいたが、今の若い人たちからみると、キリギリスに見えるだろう。
今の若い人たちは、アリのように頑張らないといけない。

キリギリスは夏の間、歌を歌って過ごした。
まさに高度成長を謳歌して、バブルにうかれていたぼくらのことだろう。

冬になって、キリギリスはアリに助けを求めるが、冷たく断られ死んでしまう。

今、団塊の世代が定年して年金をもらう。
しかし、アリの時代がいつかやってくる。
ぼくらの時代は、アリに冷たく断られ、冬の時代に死んでいくのかもしれない。

そうならないように、最後のご奉公をしたいと思うが、それをどうやったらいいのかがわからない。

キリギリスはそれなりに幸せだったのだと思う。

アリさん、頑張ってくれ。

| | 考えたこと | 23:29 | comments(0) | trackbacks(0) |