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進路指導教諭の「教育力」
進路指導教諭が選ぶ「教育力の高い大学」100という記事を見た。
進学校と呼ばれる高校750校が回答している。

1位は東大、2位は京大、以下東北大、国際教養大、大阪大と続く。
これを見ると、進路指導教諭の捉えている「教育力」というのも世間と同じだと思う。
大学の入り口には偏差値という共通尺度があるが、出口にはそれはない。
結局偏差値の高い順で書いておけば、大丈夫という心理が見え隠れする。

「教育力」という言葉は定義が難しいが、要はどれだけ学生に付加価値を付けられたかということだ。
ぶっちゃけた話、入った時の学生と、卒業時の学生を見て、「こいつ、立派になったなあ」と思えるかどうかだろう。
その尺度が「立派」でいいのか、という問題は残る。
就職実績でみるというのもありだろう。
もっと長い目で、卒業生の活躍度合いでみるというのもある。

しかし、誰が見ても偏差値の高い学生が被教育力(教育される力)が高いというのは言えるだろうし、だからそういう学生が行く大学は教育力が高そうに見えるのも当然だ。
そういう意味では、この順位はせっかく進路指導教諭に聞いた意味がない。
というか、この順位を見ると、そもそも進路指導教諭は「教育力」などわからないのだと思う。
「教育力」とは、学生を教育して、4年間でどれだけ変化させるかだろう。
それをどう測るか、ということは難しい。

2000校にアンケートして、750校から回答を得たということだから、出さなかった1250校の方が良識がある、ということか。
実際、教育力などわからない、ということだろう。
だから、どうしても偏差値の高いところを選んでしまうというのが実態だと思う。

そんな中でも、偏差値は低いが金沢工大が上位にランクインしているのがまだ救いが持てる。
この大学は本当に頑張っていると思う。
365日オープンしている夢工房や24時間開いている自習室など、学生を信用している姿勢もすばらしい。
金沢という地域性もあるんだろう。

でも、最終的に決め手になるのは学校ではなく先生だと思う。
もちろん、学校の影響は大きい。
カリキュラムや環境などは一定の効果がある。
しかし、学生本人のやる気を出させ、実際に導く熱意のある先生がどれだけいるかだと思う。

それはなかなか外からはわからない。
本当の教育力は、学生をその気にさせ、熱意を持って学問のおもしろさを伝える先生がいるかどうかにかかっていると思う。
煎じつめると、学校の質は先生の質なのだ。
だから、教育力の高い大学は、教育力の高い先生がどれだけいるか、ということだ。
それは偏差値とは関係ない。

そういう視点で見ていかないと、本当の教育力などわからないと思う。
残念ながら、それを表す指標はない。
だから、進路指導の先生は偏差値に従ったとも言える結果だなあ。

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