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2016.07.14 Thursday
ロボコップの時代
アメリカでは遠隔操作のロボットが多用されている。
ドラマを見ていても、爆弾処理のロボットはよく出てくる。 キャタピラで動くもので、カメラとアームがついていて、離れたところから目で見てアームで対象物を動かすことができる。 ロボコンで出てくるようなロボットの高級版だ。 Remotec社のAndros F5モデルという市販のモデルらしい。 人工知能などが搭載されているわけではない。 今回ダラスでの警官射殺事件に際して、このロボットが犯人を殺すために使用されたようだ。 アメリカではこのところ警官による黒人射殺の事件が起こっており、それに反発したものかもしれない。 犯人は元陸軍予備役兵士の黒人だという。 爆弾の材料などもあったと発表されていて、警察署長はやむを得ない措置だったとコメントしている。 BSワールドニュースで、アメリカのニュースではトップ扱い。 この爆弾処理用のロボットに爆弾をくくりつけて、犯人のところに行って自爆させたという。 詳細はわからないが、犯人はロボットに爆弾がついていることはわからなかったのだろう。 普通は爆弾処理などに使うロボットだからだ。 日本人の感覚では、ロボットというと人間型や自律型を想像するが、アメリカではそうではない。 ラジコンで動かすものでもロボットという。 今流行のドローンに爆弾をつけても、ロボットと呼ぶだろう。 実際、偵察用の空撮ロボットは高級なドローンみたいなものだ。 もちろん軍用のものはGPS信号を使い、自律するものもあるが…。 でも、今回はロボットを使って人を殺傷するということが、警察によって初めて行われたということで、議論を起こしそうだ。 一般のアメリカ人にとっては、そういうものがある、ということ自体驚きだったとのこと。 テレビの刑事ものを見ていたら、少しは知っているはずなのだが…。 アメリカは日本よりロボットの利用は進んでいると思う。 軍事目的の開発があるから、民生用も進むんだろう。 まあ今回の事件はちゃんと説明したら、そんなにアブナイことではない(というか、人間が判断して爆発させたということ)とわかると思うが、自律型のロボットが出てきた時はややこしくなるだろう。 誰を殺すべきか、ということだ。 昔、SF作家のアイザック・アシモフがロボット三原則を書いた。 第一法則:ロボットは人間に危害を加えてはならない.またその危険を看過することによって,人間に危害を及ぼしてはならない. 第二法則:ロボットは人間に与えられた命令に服従しなくてはならない.ただし,与えられた命令が第一法則に反する場合はこの限りではない. 第三法則:ロボットは前掲の第一法則,第二法則に反するおそれのない限り,自己を守らなければならない. まだロボットは意思を持っていないので、これらの原則は適用されない。 でも、今後人工知能が発達して、意思のようなものを持ったらどうするんだろう。 人間はちゃんと三原則を守って、作ったり使ったりすることができるんだろうか…。 |
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