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2015.09.10 Thursday
生命とは
世の中には意外と簡単そうに思えることで、はっきりしていないことがある。
その一つが、生命とは何か、ということらしい。 生きているものと生きていないもの、というのは簡単に線が引けそうだが、それがすでにややこしい。 生命の定義というのは、決まったものがないのが実情。 大きく見ると、細胞からできていて、成長し、自分と同じものを作り出し、そして死ぬものが生物だと思う。 そういう見方でいくと、普通の植物や動物は全て生命になる。 でも、ミクロで見るとややこしいのがいる。 これがウィルス。 自己複製をするためのDNAは持っているが、他の細胞に入らないと、複製できないから、微妙な存在になる。 「利己的な遺伝子」という本を書いたドーキンスという人がいる。 この人は、生き物は「遺伝子を運ぶ乗り物」だと考えた。 要は、生命のあるものは、すべて遺伝子を運んでいるということだ。 その定義でいくと、ウィルスは遺伝子を持っているので、生命になる。 生物と無生物の境界線は、定義の仕方によって異なるということだ。 そして、「死ぬ」というのも、ややこしい。 生命の最小単位である細胞には、死という概念はない。 いくらでも増殖していくことができる。 だから、単細胞生物には死はない。 でも、多くの細胞が集まって出来ている生物には、死がある。 なぜ死が起こるのかということに対して、はっきりした理由は見つかっていないと思う。 実際、人間の体は数年で全部入れ替わっている。 つまり、構成している細胞が新しくなるということだ。 そんなことは意識していないし、変わったとも思っていないが、知らぬ間に生まれ変わっているということだ。 死というのも、定義は難しい。 死なない細胞が集まって、ぼくらは出来ている。 そして、どういうわけか、死を迎える。 生物は面白い。 |
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