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2016.12.18 Sunday
追悼 島木譲二さん
島木譲二というと、「大阪名物パチパチパンチ」、「カンカンヘッドは男のロマン」など定番のギャグが思い浮かぶ。
元は警備員で芸人志望。間寛平だったかが声をかけ、吉本に入ったという経歴の持ち主。 昨日の新聞によると、亡くなったとのこと。 吉本のギャグというのは、観客との約束事だ。 あいつが出てきたら、これをやる、と分かっていて笑いを取るというもの。 ぼくが吉本新喜劇を見始めた頃、定番だったのが平参平、岡八郎といったところのギャグ。 ライブの劇場でなければ成立しない芸だ。 俺たちひょうきん族以降、お笑いはスタジオでの録画が増えた。 それと同時にテレビでは、楽屋落ちの笑いがメインになった。 その代表格が明石家さんまだろう。 ああいう密室の笑いは、劇場では通用しない。 今となっては古き良き時代の吉本の劇場ギャグ。 新喜劇の王道を行く芸人だった。 体当たりの芸人で、頭から血を流し、それでも笑いを取ったこともあった。 懐かしい。 テレビで見なくなって、だいぶ時間が経つ。 記事によると、病院に入院してもギャグで笑わせていたとのこと。 いろんな芸人にイジられて、それがすごく面白かった。 それもこれも、定番のギャグがあるからだ。 こういう芸人が減った。 昭和の時代の芸なのかもしれない。 今はキャラクターそのもので笑わすとか、定番ギャグを持っているというような芸人の時代ではなくなった。 回りの雰囲気を読み、当意即妙のやり取りができる器用さが求められる。 彼は不器用を逆手に取って笑わせる人だった。 お笑い芸人がニュースのコメンテーターをやる時代。 そんなことは昭和の時代には考えられなかった。 古いタイプの芸人がまた一人鬼籍に入った。 天国でもみんなを笑わせてほしい。 合掌。 |
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