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2016.12.07 Wednesday
テレビの劣化
去年の夏ごろ、地上波の情報番組というヤツの悪口を書いた。
最近の記事によると、民放は広告費で制作費を賄っているから、本当に苦しいらしい。 企業の広告費は長らく続く不況で減らされ、もっと効果的なネットに移っていっているからだ。 そういえば、最近の日本のドラマは著しくエキストラが少ない。 どんなシーンでも部屋の中だったり、屋外のロケ以外は本当に登場人物しか出てこないのだ。 どう考えても不自然という作り。 病院や会社のオフィスといった、多くの人がいて当たり前というような場面でもセリフを喋る人しかいなかったりする。 主演俳優や助演の2,3人はある程度舞台経験や演劇の練習をした人だろうが、それ以外の出演者は俳優とはいえないレベルの芸人だったりする。 セットも再放送の昔のドラマをみると、だいぶ安くなった。 場面転換も少ない。 脚本も安くなっているんだろう。 時代劇が減ったのも、費用の面もあるのかもしれない。 そのうえ、BSが増えて競争相手が増えた。 野球中継などはほとんど地上波ではやらない。 もっぱらBSやケーブル・テレビでやる。 若い人に聞いても、それほどテレビを見ない。 夜の時間はネットの動画やSNSで忙しいんだろう。 結局地上波というメディアは年寄りに傾いているようだ。 リオのオリンピックでは、テレビ全体の視聴率が低下し、NHKを中心としたスマホのアプリによるコンテンツの利用が増えたとのこと。 テレビ局も相当の危機感を持っているんだと思う。 それでも、なかなか手が打てない。 番組を改変するが、結局は従来の路線を継承している。 よほど今までのビジネスモデルがよかったらしく、そこから離れられない。 巨砲巨艦主義に陥った日本海軍のようだ。 今地上波のニュースを見ているのは、主に高齢者だろう。 そういう人たちに気に入ってもらおうとすると、こないだ書いたように、対立を煽る方向の報道がいいと当の地上波マスコミが思っている。 だから、1950年代や60年代の左右の対立構造を持ち出す。 時代はそんなに簡単ではないし、グローバル化も進み、単純に右や左と決められない言説もある。 そこは無視して報道する。 地上波は、もはや退却戦を戦っているようだ。 こんなことを続けていると、時代遅れになって、誰も見なくなるぞ。 |
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