考えたこと2

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総務課が重要?
会社勤めから学校法人に代わって驚いたことはたくさんあるが、その中の一つ。
総務課が重要なポジションだ、ということを聞いた。

会社の時には総務というとなんかみんなの事をやっている、という程度の認識で、そもそも何をやっているのかもはっきりわからず、大した部署ではないと思っていた。
実際、そんなに人もいなかったし、そんな重要な部署ではなかったと思う。
25年間の会社暮らしで、総務部と話をした覚えがない。

やっぱり会社というと、販売や生産に関わる直接部門だ。
文系なら営業、理系なら技術、製造、品質保証というところ。
まあ、企画や経理というところも場合によっては寄与があるが…。
それ以外の部署は、儲けにあまり寄与していない。
それが普通の会社員の認識だと思う。

大学というところは教育を商品として売っている。
どこのホームページを見ても、ウチの大学はどんな教育ができる、その結果どんなふうになれる、みたいな宣伝が多い。
だからといって、カリキュラムの詳細を説明しているわけでもなく、どういう科目に力を入れているかとか、どんな人材育成を重視しているかとか、そういうところは少ない。
あくまでイメージだ。
教育というのは、煎じ詰めればどんな先生がいるか、ということだ。
でも、先生はいつ変わるかわからないし、それを宣伝はできない。
だから、トータルでイメージを売る。
今は学生を出して、コメントさせるというのが多い。

つまり、商品を簡単に変えることができないから、広報戦略は大事になるがそれはイメージだけだ。
事実、入試課の仕事の大きな部分は広報をどうするか、ということになる。
しかし、それも突飛なことはできないから、毎年ちょっと目先を変える程度だ。

おまけに大学は偏差値で序列化されているから、いくら宣伝してもそんなに変わらない。
それよりは地道に高校訪問して、受験生を送ってもらう方が確実だ。
要は商品を売る上で、大きな変更や工夫の余地が少ない。
画期的な新製品など生まれようがないのだ。
そうなると、全体の調整業務をやる部署、予算編成にかかわる部署が大事になるから、総務が大事、ということになる。

それがすぐには分からなかったが、だんだんと理解した。
民間企業とだいぶ違うんだなあということだ。

おまけに学校というところは、前例を重視する。
何か説明すると、それは過去にやっているのかという質問が来る。
やってません、というと、それは慎重にしろという。
ほとんどやめるということだ。

また、他の大学でやってます、というとそれなら考えよう、ということになる。
要は自分のところが最初になると、失敗した時の弁解ができないからやめようという感じだ。
前例があったり、他学でやっていたりすると、それがあるからやってみたけどダメだったと言える。
だからどうなんだ、ということだが…。

ぼくは総務部が重要、というような組織はロクな組織ではないと25年間で刷り込まれた。
肌が合わないということだ。

もちろん、ずっと大学や教育業界で過ごしてきた人は、それしか知らないから何も疑問に思わない。

ここにとてつもなく深い溝がある。

それを超えるのは難しい。


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