考えたこと2

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テロ組織のIT技術
テロ組織のIT技術が上がってきているらしい。
Torという規格があるが、それはインターネットで接続するのを匿名化することができるもの。
それを使っていたのがテロ組織だが、最近はその監視が厳しくなってきたとのこと。

テロ組織はどうやってIT技術を使い、秘密の通信をしているのかと思っていたが、意外と市販のツールを使っているらしい。
世の中には暗号化通信ツールというものがあって、それらが使われているとのこと。
アメリカの国家安全保障局(NSA)がコメントした。

自動的に消去できる暗号化メッセージアプリや、暗号化したメールを送受信できるようにするもの、登録無しで最大8日間仮のメールアドレスを使うことができるものなどはアルカイダで使われたらしい。
GPSで自分の居場所を偽装するツールもある。
最近のテロリストはITに詳しくなっており、独自にツールを開発したりしているとのこと。
エライもんだ。

もともとは軍の情報通信が一番の秘密だった。
それに伴なって暗号の技術は進んできた。
「いつ、どこを、どれほどの勢力で攻める」ということが事前にわかってしまえば、準備できるからだ。
第二次大戦時のドイツ軍の暗号発生器エニグマの解読をめぐる戦いは、つい最近まで秘密にされてきた。
日本軍の暗号はほとんど解読されており、山本五十六が乗った飛行機が撃墜されたのも、その成果だった。

それが今はクレジットカード決済や、通常のインターネットの通信にも使われるようになった。
プライバシーは守るべき価値ということになったからだ。
企業は拠点間の通信を、VPNという技術でつないでいる。
家で仕事ができるもの、そういう技術があるからだ。
暗号化技術は、生活を便利にしようと思って作られている。

だから、そういうツールの開発をやめることはできない。
テロリスト向けに作っているわけではない。
誰もが安全に通信を行う、という価値は民主主義にもつながるものだが、それはテロリストの通信も守っている。

こうなるとややこしい。
国家安全保障局にそれを解読する権利を与えるのは、国民が嫌がるだろう。
企業も企業秘密が流出したら困る。
クレジットカードの決済情報が解読できたら、今の経済がストップするだろう。

まだ、究極の暗号である量子暗号は実用化されていないが、これができると、そもそも解読ということ自体ができなくなる。
技術の進歩は、国家にもテロリストにも恩恵を与えるんだろう。

エライ時代が来たものだ。



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