考えたこと2

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オヤカク
仕事柄就職関係の記事を見るが、こないだ初めて「オヤカク」という言葉を見た。

今年は企業研究の時間が短かったからか、手当たり次第に受けた学生も多かったようだ。
そのために、複数内定者が多いのかもしれない。
だから、企業の人事は内定者の引き止めに必死になる。
ひどい場合は、経団連の解禁前に内定出しをして確保した学生がゼロになる場合もあるんだろう。
もちろん、採用には費用がかかるから、企業によっては割りきって大手が終わってから採用しよう、というところもあるが、以前人事の担当に聞いたところ「そんな恐いことはできない」とのこと。
担当者としては、もし誰も残ってなかったらどうしよう、という気になるのだそうだ。(人数からしてそんなことはありえないが、いい人が残っていなかったら…、ということだろう)

そこで今年はオヤカク対策が大変、ということらしい。
オヤカクとは、一旦内定が出た会社に親が反対して蹴られるということがあるので、親が入社を認めているか、ということを確認することらしい。
なぜ親が反対するのか、その理由は様々だろう。
中にはもっともなものもあるのかもしれない。
でも、素材や部品メーカー、専門商社などの人からみれば、ウチはまっとうなことをしている会社なのに、「親が知らない」ということだけで反対される、という言い分もあるように思われる。

反対する親からみれば、高い学費を払ってここまで育ててきたのに、そんなわけの分からない(失礼)会社に入るのはもったいない、という気持ちなんだろう。
少子化で世帯あたりの子供の数も減って、親が関われるようになったということもあるかもしれない。

でも子供の人生は順調にいけば、親が死んでからも続く。
先のことなどわからない。
山一證券みたいに潰れる例もあるし、近くは東芝や三菱自動車、シャープのように大きな変化に見舞われる会社もある。
これから先なら、地銀など統廃合が必須の業界もある。
地方公務員も20年のオーダーで考えたら、受難の時代だろう。

だから、よほどのことがない限り、子供の責任で決めさせるほうがいいと思う。
そうしないと、ちょっとしたことが我慢できなくなったり、小さなつまづきがあって、辞めたいと思った時のハードルが下がる。
自己決定してないと、すぐ諦めてしまいがちだ。
いくら親が決めた会社でも、辞めてしまったら意味がない。
だから、最悪でもアドバイスでとどめておくべきだと思う。

HR総研というところのアンケートによると、「学生の就職先決定に影響力を持つ親向けに何らかの対策を実施しているかを聞いたところ、12%の企業が「実施する」と回答している」とのこと。
対策内容としては、親に会社情報資料やDVDを送ったり、手書きの手紙と自社商品を送るとか、実際に親を訪問するというところもあった。
大変な世の中になったものだ。

最近テレビで素材や部品メーカーなどが自社の製品の宣伝をしているところを見るが、これなども親対策の一環だろう。
親が「知らないからやめといたほうがいい」ということがないようにしている。

元々はその製品を使う会社が知っていてくれればいい、という会社だろうが、一般の人に向けても宣伝しないといけない。
それほど、いい会社でも人が来ないということだろう。
業界内の転職なら別だが、新卒となると苦しいということだ。

驚くのは、説明会に親同伴で来たり、内定承諾書を父親が持ってきたりする例もあるらしい。
もちろんレアケースだろうが、エライ時代になったものだ。

もちろん、そういう学生の評価は低くなる。
企業は自立した大人がほしいのだから。


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