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2024.04.25 Thursday
住みにくい世の中
知らなかったが、去年、福岡県の中間市長が「あいさつとスカートは短い方がいい」と発言し、批判を受けて謝罪したとのこと。
昔からある挨拶の「つかみ」の常套句の一つだが、これが批判されて謝罪に至るとはなあ、というのがぼくの感想。 博多華丸・大吉の漫才で、よく聞いた。 彼らも昭和世代で、もう50代の半ば。 その華丸は、時と場合によるが、「そんぐらい、いいっちゃないと?と、俺は思うけどね」と言っているとのこと。 市長は、「場を和ませようという意味で使わせていただいた」、「公職である立場としたら、もっとしっかりと考えてから言葉を発しないといけない」と謝罪したらしい。 まあ、昨今の風潮からすると、批判されるということもわかる。 ぼくは言ったことはないが、結婚披露宴などでもよく聞くような気がする。 もともと、本気で短いスカートがいいと思っているわけでもないし、聞く方もそんなことは思わないだろう。 もしも、それを本気で言ったのなら、批判されるのは仕方ない。 でも、おそらく単なるギャグとして言ったのだろう。 この類のものは、聞いたほうが判断して不快に思えばダメだということになる。 何とかハラスメントはみんなそんなもの。 だから悪いと言っているわけではない。 不快に思った人がいるなら、言わないほうがいい、ということだ。 それはあくまでそうなのだが…。 そういう言葉狩りを始めると、際限がないとぼくは思う。 そのうち、自分は不快ではないが、きっと不快に思う人がいるから、ダメだなどと言う人が出てくる。 ぼくも誰かの発言を聞いて、不快に思うことはある。 でも、そんなことをみんなが言い出したら、当たり障りのないことしか言えない。 もちろん「あいさつとスカートは短い方がいい」と言わなくたって、挨拶はできる。 でも、そういう笑いを誘う言葉というのは、ある意味トゲがあるからこそ成り立つのだと思う。 そういう言い方をどんどんなくしていくと、なんだか世界が貧しくなって、住みにくくなると思う。 華丸はインタビューに答えて、最後にこう言っている。 「『謝れって言われたから謝りました』(という)のを、もっと出した方がいいと思う。なんか、自分から『間違ってました』と言うと、結局、屈することになるからね。市長だから、発言には責任を持ってやった...と。ただ『そんな言うならわかりました。謝らさせていただきます』というぐらいの気持ちの方が、市を引っ張っていけるんじゃないかなと思いますけどね」 さすが、言葉を扱う漫才師だけのことはあると思う。 |
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